エーピーシー・ジャパン(APCジャパン、シリル・ブリッソン社長)は、データセンター(DC)事業者のエネルギー管理に関する需要拡大を受けて、電源や冷却などDCの物理インフラをラックに統合したアーキテクチャ「InfraStruXure(インフラストラクチャー)」の事業展開を加速している。

APCジャパン ビジネス・ディベロップメント部の有本一ディレクター

 「InfraStruXure」は、電源、冷却、管理、サービス機器をラックに統合した物理インフラのソリューション。モジュール設計で可動式の標準化したコンポーネントで構成しており、必要なものを選択して組み合わせることができる。

 8月8日に開催したメディアセミナーで、APCジャパン ビジネス・ディベロップメント部の有本一ディレクターは、「DC事業者は夏以降のディザスタ・リカバリ(DR)対策を図って、DCの分散化を推し進めている。その影響で、このところ、エネルギーを効率よく管理する『InfraStruXure』の導入を検討しているDC事業者が増加している」と、需要拡大への手応えを語った。

 有本ディレクターは、「『InfraStruXure』関連の案件数は首都圏が大半を占めているが、DCの分散化によって地方での案件が着実に増えており、地方での当社の営業活動が活発になっている」として、今後、地方自治体や病院など、スモールスタートで小型のDCを置きたいという顧客にターゲットを広げていく考えを表明した。 

富士通東北システムズ ビジネスモデル変革室の江口則地ITエキスパート

 ユーザー企業の一つ、富士通グループのシステムインテグレータ(SIer)で宮城県仙台市に本社を置く富士通東北システムズは、青森県のDCの増床に伴って、2010年に「InfraStruXure」の運用を開始した。

 富士通東北システムズ ビジネスモデル変革室の江口則地ITエキスパートは、「青森のDCでは、『InfraStruXure』の導入や冷外気の活用によって、平均の電力使用効率(PUE)を1.37に下げることができた。PUEが1.9の一般的なDCと比べて、27%のエネルギー削減になる」と、エネルギー使用の効率化の成功事例を披露した。(ゼンフ ミシャ)