電通国際情報サービス(ISID、釜井節生社長)は、アジア成長市場でビジネスの拡大を図る。香港・広東地区、ASEAN地区のテコ入れに力を注ぐとともに、製造や流通・サービス業などの成長産業への対応力を強める。中期経営計画では、2014年3月期の連結売上高の10%に相当する80億円をグローバル関連ビジネスで売り上げる目標を掲げており、うち3分の2をアジア成長市場で稼ぐ構えだ。

海野慎一
執行役員
 ISIDは、主に海外拠点をもつ邦銀への対応を目的としてニューヨークやロンドンなどの金融都市に拠点を置いてきた。しかし、アジア成長国の情報サービス市場の急成長を受けて、この市場でのビジネス拡大策を推進する。今期(2013年3月期)施策のポイントは、自動車をはじめとする製造業が盛んな中国広東地域と、産業全般がすでに成長フェーズに入っているASEAN地区への対応力強化にある。上海地区は地場有力SIerの上海海隆軟件との合弁事業も含めて約300人体制にまで拡充しており、海野慎一・執行役員グローバル事業推進本部長は「今後は中国南部とASEAN成長市場で、すでに事業が軌道に乗り始めている上海同様、ビジネスポートフォリオを広げる」と構想を語る。

 海野執行役員は、組織を格上げして4月1日付で発足したグローバル事業推進本部長と、香港とシンガポール法人の取締役会の議長役を兼任するかたちで経営に関わる。香港はこれまで金融分野で業容を伸ばしてきたが、「今後は隣接地域の産業分野を強化し、一方で、ASEAN地区ではシンガポールを軸にタイやインドネシアなどのカバー地域を増やす」と、上海地区と同様、金融から産業分野に至るビジネスポートフォリオの多様化やカバー地域を広げる方針を示す。

 また、海外案件の営業や受注状況については、電話会議で東京本社の役員会で報告する機会を増やしたり、国内外の役員同士の連携をより深めるなど、「現地法人の経営幹部が、ISIDグループ全体の経営に参画している意識を一段と強めてもらう」ことでモチベーションを高め、事業の成長につなげていく考えだ。(安藤章司)