日本IBM(マーティン・イェッター社長)は、1月24日に記者会見を開き、2013年のクラウド事業戦略を明らかにした。企業の基幹業務での利用に適した水準のクラウド・サービスを提供することを前提に、四半期ごとに新しいサービスを追加して機能を拡張していく。この第一弾として、三つの新しいサービスを発表した。

 新サービスは、PaaSで提供するSAPアプリケーションの統合基盤「IBM SmarterCloud for SAP Applications(SC4SAP) R1.1」、企業向けクラウド・プラットフォーム「IBM SmarterCloud Enterprise」(SCE)の最新版「SCE R2.2」、SCEにゲスト仮想マシンのサービス管理やセキュリティ機能などを付加した「IBM SmarterCloud Enterprise+(SCE+)」の最新版「SCE+ R1.1」。「SCE R2.2」と「SCE+ R1.1」は1月24日に提供を開始し、「SC4SAP R1.1」は2月18日にスタートする。

 「SCE R2.2」は、Windows環境のコピーやインポートなどの機能を新たに追加したほか、従来の2倍に相当する32GBのメモリを利用できるようになった。また「SCE+ R1.1」では、従来、ハードウェア、ハイパーバイザー、OSまでだった運用対象を、ミドルウェアまで拡大した。データベース監視やデータベースバックアップ機能も強化している。

 「SC4SAP R1.1」は、「SCE+ R1.1」を活用したインフラ層の運用・管理機能に加え、その上で稼働するシステムの運用やデータベースの管理など、SAPの業務システム・アプリケーションに必要な基盤を統合したサービス。ハードウェア、ソフトウェアのコストと人件費、必要経費を含めた直営の基幹業務システム運用環境に比べ、最大約50%のコスト削減が可能になる。

 クラウド事業を担当するスマーター・クラウド事業部長の熊本義信理事は、これらのソリューションの拡販策について「ユーザーへの導入提案からサポートまで、全社を挙げて組織横断的にカバーし、スマーター・クラウド事業部がそのまとめ役になる。専任の営業体制も強化する」と説明した。

 またIBMは、近くプライベートクラウドからパブリッククラウドへの移行やハイブリッドクラウドの導入など、利用するクラウドサービスの種類を容易に乗り換えられるソリューションを発表することも明らかにした。(本多和幸)

クラウド事業を担当する熊本義信・理事スマーター・クラウド事業部長