日本オラクル(遠藤隆社長)は、4月9日、クラウドをテーマにした自社イベント「Oracle CloudWorld 2013 - Tokyo」を開催した。基調講演のスピーカーは、米オラクルのラリー・エリソンCEOと、ゲスト出演したソフトバンクの孫正義社長。エリソンCEOは、サンフランシスコのオフィスからネットワーク中継で映像出演。東京の孫社長とクラウドの今後のついて意見を交わした。

 基調講演では、エリソンCEOがオラクルのクラウド戦略を語った後、孫社長とクラウドの未来について意見交換。その後、孫社長がオラクル製品の活用事例を披露した。エリソンCEOは、オラクルのクラウド製品を紹介し、「SaaS、PaaS、IaaSの3カテゴリで製品を揃えているのが強み」としながら、「クラウド分野でのライバルはSAPやIBMではない。セールスフォース・ドットコムやアマゾンだ」と、ライバルを明確にした。

 孫正義社長は、米サンフランシスコから映像で出演したエリソンCEOと英語で意見交換。「ふだんは講演を依頼されても断っているが、友人であるエリソンさんの頼みなので引き受けた。スティーブ・ジョブズさんと仲よくなるきっかけをつくってくれたのは、実はエリソンさん。エリソンさんの自宅でジョブズさんとともに未来を語ったことがある」と、旧知の仲であることを印象づけた。

エリソンCEO(左)がサンフランシスコから映像出演。東京の孫社長とネットワークを通じて“共演”した

 その後、孫社長は「初公開」と前置きしたうえで、オラクル製品を利用したシステムで展開するビッグデータの活用事例を三つ披露。携帯電話・スマートフォンのパケット通信を全国でつながりやすくするために、全国からスマートフォンの接続状況データを月間1.9億件収集して分析し、新たな基地局を設置する際に活用していることを説明した。

 また、ソフトバンクに関連する8200万件のTwitterの投稿を、オラクルのシステムで分析していることも明かし、「(投稿内容が)ポジティブな内容か、ネガティブな内容かをデータマイニング技術を使って自動分析・区分けして、ポジティブが半数を超えているかを毎日チェックしている」と話した。さらに、グループ会社が提供するネットサービスの利用ユーザーのウェブ閲覧履歴情報を活用して、ライバル会社の携帯電話・スマートフォンをもつユーザーを抽出。そのユーザーに対して効率的に広告を出している」ことも紹介した。

 孫社長は、「ソフトバンクが(携帯電話・スマートフォン)の契約純増数No.1を維持し続け、つながりやすさでもトップに立ったのは、お金を使っているからではない。ITと頭を使っているから。それを支えているのがオラクルの製品」とアピールして、講演を締めくくった。

 「Oracle CloudWorld 2013 - Tokyo」は、クラウドをテーマに基調講演や製品・サービスを紹介するセッション、パートナー製品の展示で構成するイベント。世界10か所で開催される予定で、1月にドバイで始まり、東京は7都市目、エリソンCEOが登場するのは日本だけという。日本会場の申込みは4900人で、「1日のプライベートセミナーとしては過去最多」(遠藤社長)だった。(木村剛士)

会場のグランドハイアット東京がある六本木ヒルズでは「Oracle CloudWorld 2013 - Tokyo」の大規模な広告が展開されていた