【サンフランシスコ発】会場に集まった1万人を超える聴衆の期待は、失望に変わった――。米オラクルのラリー・エリソンCEOが、サンフランシスコで開催中の「Oracle OpenWorld(OOW) 2013」の3日目、基調講演を“ドタキャン”した。今年6月に協業を発表した米マイクロソフトの副社長が同席する歴史的な場面になるはずだったが、両社の発言に注目した聴衆はやや拍子抜けの様子だった。

マイクロソフトのブラッド・アンダーソン副社長はオラクルとの協業を「Oracle on Windows」と表現

 この日の午後、大ホールで行われた最初の基調講演には、米マイクロソフトのブラッド・アンダーソン副社長とエリソンCEOが登壇する予定で、両社幹部が初めて同じ壇上に立つと期待された。ところが、当日、エリソンCEOがホスト役を務めるヨットレース「アメリカズカップ」でオラクル・チームが勝利したために、講演よりヨットレースを優先してそちらに出席。代わりに壇上に上がった製品開発担当のトーマス・クリアン エグゼクティブバイスプレジデントは、「Oracle Cloud」のエンハンスについて淡々と語った。

代役で登場したトーマス・クリアン エグゼクティブバイスプレジデントは淡々と講演を続けたが、参加者は半減した

 基調講演の冒頭に登壇した米マイクロソフトのアンダーソン副社長は、エリソンCEOの講演キャンセルを知ってか知らずか、6月24日に発表した両社の提携内容を熱く語った。アンダーソン副社長は、「このイベントに参加できて光栄だ。マイクロソフトを代表してお礼を申し上げる」と述べた後、「OOWのキーノートで当社が登壇するのも初めてなら、私自身、キーノートでネクタイをするのも初めてだ」と、ジョークを飛ばして会場を沸かせた。

 両社はすでに「Java」「Oracle Database」などのオラクル製品が「Windows Server Hyper-V」と「Windows Azure」で利用可能になることを公表している。アンダーソン副社長はこれに触れ、「オラクルのワークロード(製品)のプロビジョニング(コンピュータリソースやサービスを計画的に調達して必要に応じたサービスを受けること)をAzure上で可能にした」と、Linux上で稼働するオラクル・データベース(DB)でも、「Azure」のクラウド基盤で利用できることを述べた。

 「ユーザーは適切な対応ができ、選択肢が拡大した。独立系ソフトウェアベンダー(ISV)は、自社開発のツールを選んで『Azure』上に移し、オプティマイゼーション(装置やソフトなどを効率よく、高速で動作するように内部構成を整理すること)できる。まさに『Oracle on Windows』だ」として、アンダーソン副社長はクラウドサービス分野で両社が蜜月関係にあることをアピールした。(谷畑良胤)


<Oracle OpenWorld 2013(OOW 2013)レポート>
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