【サンフランシスコ発】米オラクル(ラリー・エリソンCEO)が米カリフォルニア州サンフランシスコで開催している自社イベント「Oracle OpenWorld(OOW) 2013」の4日目、最初に基調講演に登場したのは、2日前にMBO(経営陣による買収)成立の報道が流れた米デルのマイケル・デル会長兼CEOだ。デルCEOは、講演の冒頭に「報道されたことは事実だ。デルは“プライベートカンパニー”になる」と語り、参加者から拍手が起きた。

マイケル・デルCEOがOOWに登場するのは10回連続・10回目

 デルCEOは、自身と投資会社のシルバーレーク・マネジメントによるMBOの理由について、次のように説明した。「なぜ、MBOをしたのか。それは、顧客の夢をかなえるためだ。夢の実現には新たなテクノロジーが求められ、新たなブレイクスルーが必要だ」。そして、その方法として「Transform(変容)」「Connect(接続)」「Inform(通知)」「Protect(防御)」の四つの視点を掲げ、具体的な戦略を示した。

 「Transform」では、「顧客は従来のやり方を変容させ、脱メインフレームを進めている。次世代の業界標準での新たなシステムを求めている」(デルCEO)と、SDN (ソフトウェアによる仮想ネットワークをつくる技術)の重要性を説き、高い世界シェアをもつデルのフラッシュを採用した高性能サーバーやストレージなどと、オラクルの標準化した技術の統合で、これを実現できると述べた。

 「Connect」に関しては、スマートデバイスに限らず、パソコンや仮想デスクトップなどすべての端末に最適化した接続環境を提供する必要を語り、新たに「マルチデバイス環境で提供するマネージド・サービスを近く公表する」と、顧客が端末を資産として購入せず、サービスとして利用するデル独自の方法を採ることを明らかにした。「Inform」では、「デルとオラクルのインフラを融合し、データ・アナリティクス(分析)環境を提供する。両社のインフラによって、顧客に新たな水準を提供できる」とした。最後に、「Protect」に関しては、「個別のデバイスをより簡単に、パワフルに保護するデルのパソコンなどに独自のセキュリティ環境を組み込んでいく」と、デル製品のこれからの方向を示した。

 さらに、これらを実現するための複数の取り組みを発表。一つは、オラクルのクラウド環境を含むIT管理製品「Oracle Enterprise Manager 12c」と、デルのシステム管理ソフト「Dell OpenManage」を連携したソリューションなど。また、今後提供する新製品として、UNIX環境をx86環境に移行する「Dell Active Infrastructure for Oracle」や、オラクルのデータベース「12c」にネイティブ対応したレプリケーションソフト「Toad for Oracle and SharePlex」など、オラクル環境に対応したソフト製品をリリースする。(谷畑良胤)


<Oracle OpenWorld 2013(OOW 2013)レポート>
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