理経(黒田哲夫社長)は、デジタルアーツ(道具登志夫社長)と販売代理店契約を締結し、重要ファイルの管理・リモート削除が可能なデジタルアーツのセキュリティソリューション「FinalCode」「FinalCode for CAD」の販売を開始した。CADソフトウェア向けに開発されたFinalCode for CADは、現在のところ理経だけの単独販売となる。

 PTCのCADソフトウェアを取り扱っている理経では、以前からセキュリティに対する要望が顧客から出ていた。「例えば金型の見積もりや発注などをする過程のどこかで、CADデータが漏えいしてしまうことがある。データは一度送ってしまえば、一般的にはその後の制御ができないので、どこで漏えいしたかを把握するのが難しい。模造品が出回って初めて気づくケースもあって、抜本的な対応を望む声が出ていた」とシステムソリューション営業部の領家直志CADグループ長は語る。しかし、そのニーズに応えるソリューションはこれまでなかった。


 「CADデータはとても複雑な構造になっているので、一般的な暗号化などでは十分なセキュリティ対応ができない。その問題に対応したのが、FinalCode for CADだった」と、システムソリューション営業部の石川康男部長代理は語る。

 FinalCodeの特徴は、指定された利用者以外はファイルを開くことができないうえ、任意のタイミングで管理者が削除できるところにある。ファイルの利用履歴や指定者以外によるアクセスなどの履歴を記録していて、情報漏えいが疑われる場合にはファイルを削除するといった使い方ができる。

 また、FinalCodeではパスワードを使わない。「設計者は設計に集中したいと考えて、パスワードの管理などの労力を嫌がる傾向にある。たとえファイルを暗号化したとしても、パスワードが漏えいすると意味をなさなくなってしまう。FinalCodeでは、パスワードの管理をする必要がなく、ファイルの送信先にパスワードを教える行為も不要なので、パスワード漏えいのリスクがない。暗号化は手段に過ぎない。本来の目的は情報漏えいをさせないこと。目的と手段を取り違えていた」と石川部長代理。FinalCodeは、メールアドレス、公開鍵、デバイスで本人認証をしている。なお、FinalCodeで管理されたファイルを利用するには、クライアント側に専用ソフトウェアをインストールする必要がある。

 販売戦略について石川部長代理は「既存の顧客に加え、これまで当社のCAD製品ラインアップの関係でリーチできていなかったCADユーザーにも販売していきたい。セキュリティに対するニーズは大きく、当社のCAD関連ビジネスを広げるきっかけとなる」と期待している。(畔上文昭)

システムソリューション営業部 石川康男部長代理(左)と領家直志CADグループ長