百貨店やアパレル会社など、小売業向け情報システムの構築に強い日本NCR(諸星俊男社長)は、ビッグデータ分析を切り口とする案件の獲得に動く。上流工程で業務分析を行い、ユーザー企業の課題を見える化するコンサルタント部隊を活用し、データ分析を「価値の創出」に結びつける提案に力を入れる。

 景気の回復につれて、ユーザー企業は新たなビジネス展開に向けて「攻めのIT投資」に取り組んでいる。そんななかにあって、日本NCRは、ビッグデータ系の案件獲得によって、今年、「2ケタの規模で事業を拡大したい」(諸星社長)としている。

会計処理を効率化

諸星俊男
社長
 米国に本社を置くNCRの日本法人は、1920年設立の老舗ITベンダーだ。POSターミナルなどを開発・販売するメーカーでありながら、他社製品も扱うシステムインテグレータ(SIer)の顔ももっている。

 日本NCRの売上高は公表していないが、売上構成では、小売・流通業向け事業が60%、金融業向け事業が35%を占めている。2013年、洋服のセレクトショップ「SHIPS」を運営するアパレル大手のシップスに、クラウド型のRFID(無線自動認証)システムを納入するなど、事業は順調に伸びている模様だ。

 シップスは、日本NCRのシステムを導入し、RFIDによって、値札の一括読み取りを実現している。これまでのように、商品値札のバーコードを一点ずつ読み取る手間を不要にして、会計処理の効率化につなげた。RFID値札は、万引き防止タグの役割も兼ねているので、従来の防犯タグの取りつけや取り外しといった手間を省き、コストを削減できた。

 諸星社長は、「現在、シップス以外のアパレル会社にもRFIDシステムを提案しているところで、早いうちに案件を獲得したい」と意気込みをみせる。

「オムニチャネル」を提案

 NCR米国本社は、2012年、小売業向けのソフトウェアやサービスを提供するリタリックスを買収。日本NCRは、その技術を取り入れて、インターネットや実店舗を連携させてマーケティング施策を打つ「オムニチャネル」のソリューション提案に取り組んでいる。

 諸星社長は、「小売・流通業のお客様は、景気回復の追い風を受けて、業績が順調だ。積極的にIT投資をして、情報システムをビジネスに生かしたいという意識が高まっているので、受注のチャンスだ」と捉え、提案活動を加速して事業を拡大する。(ゼンフ ミシャ)