ニュース
ファーウェイ、上海でクラウドのプライベートイベントを開催、分散型クラウドDCソリューションなどを発表
2014/09/18 18:50
イベントの冒頭には、徐・輪番CEOが、ファーウェイのIT戦略について基調講演。「ファーウェイは、企業や運営事業者に認められたIT企業。革新的で差異化したすぐれた製品とソリューションを提供している」とアピール。ファーウェイの法人向けICT事業はまだ歴史が浅く、売上高に占める割合は6%程度だが、徐・輪番CEOは、「クラウドにチャンスがあるとみて、法人向けICTビジネスに参入している」とし、今後はクラウドの製品・ソリューションの開発・提供に力を注いでいくと強調した。
続いて徐文偉・専務取締役最高戦略マーケティング責任者が、ファーウェイが独自の調査にもとづいて開発した人と人、人とモノ、モノとモノの接続に関する国・産業別の指標であるGlobal Connectivity Index (GCI)を発表。主に、接続の現状と潜在力から出した指数で、国の競争力や経済の成長性がわかるという。調査対象の25か国のなかでは、76ポイントでドイツが1位を獲得。日本は70ポイントで5位、中国は60ポイントで14位だった。徐・専務取締役は、「接続は、いまやモバイル投資やIT投資の根拠になっている国家のコアコンピタンスの一つ。当社の予測では、接続の指数が1ポイント向上するごとに、その国の1人あたりGDPが1.4~1.8%向上する」と説明した。
その後、鄭叶来・法人事業グループ・エンタープライズITプロダクト担当プレジデントが、「デジタルの世界が到来し、ITの在り方は、定義し直されている。ビッグデータにもとづく分析やモノのインターネット(IoT)、モバイルデータの消費、クラウドによるデータの共有などによって、IT消費モデルは、従来の装置を中心としてきたモデルから、業務を中心としたモデルに変わりつつある」と前置きしたうえで、ファーウェイの法人向けICT事業での新製品を発表。
新製品のなかで、とくに来場者の注目を集めたのが、分散型クラウドDCソリューション「Service Driven-Distributed Cloud Data Center(SD-DC2)」だ。異なる仮想化プラットフォームで形成した複数のクラウドDCにある仮想マシンや仮想ストレージ、仮想ネットワークなどのITリソースを一つのプール上に抽象化して集め、仮想的なDCを形成。これによって、DC管理者は複数のDC上にある業務アプリケーションを一か所で効率よく運用・管理したり、ITリソースを従来以上に柔軟に共有・割り当てたりすることができるという。イベントで発表したクラウド構成OSの最新版「FusionSphere 5.0」と、ビッグデータ解析プラットフォーム「FusionInsight」、DC統合管理システム「ManageOne」を組み合わせることで実現する。
このほか、SANとNASを統合することで、投資コストの15%削減と空間利用率の50%向上を実現するコンバージド・ストレージ・システム「OceanStor」や、ディザスタリカバリ(DR)ソリューションの「Active-active data center solution」などを発表。さらに、ファーウェイのサーバー製品については、ブランド名を従来の「Tecal」から「FusionServer」に改めることを明らかにした。
今回のイベントで発表した新製品は、年内に中国で提供を開始する予定。日本市場への提供時期は、現時点では決まっていない。(上海支局 真鍋武)
- 1
関連記事
ITベンチャーのFrere、クラウドサービス「Frere cloud」を開始、KDDI上海で培ったノウハウを生かす
CEC杭州、オフショア開発事業から撤退、Microsoft Dynamicsの販売に専念
中国で戦う現地キーパーソンが語る今 日系IT企業の勇姿をみる
現地ビジネスの課題と戦略を追う 巨大市場に挑み続けるNTTデータ 中国ビジネスに王道なし