仮想環境向けストレージのメーカーである米Tintri(ケン・クライン会長兼CEO)は、日本事業の拡大に拍車をかける。このほど富士通とOEM提携を結び、Tintri製品を富士通が8月末に発表したストレージ「ETERNUS TR series」として販売する。日本法人、ティントリジャパンの河野通明社長は、富士通との提携をきっかけにして、グローバルの売上高に占める「日本事業の比率を現在の約10%から、20%に引き上げることを目指している」ことを明らかにした。

ティントリジャパン
河野通明社長
 Tintriは、2008年の設立で、11年には製品の出荷を開始。アップルやゼネラル・エレクトリック(GE)など米国の大手企業向け展開を中心に、ビジネスを伸ばしてきた。売上高は公開していないが、売上構成は、グローバル/日本ともに、サーバー仮想化が40%、VDI(仮想デスクトップ)が30%、プライベートクラウドが30%を占めている。

 15年には株式公開(IPO)を予定しており、それに向けて成長基盤を築いているところだ。そして、その一環として、日本事業の体制の強化に取り組んでいる。

コスト削減で差異化

 クラインCEOは、「とくに、プライベートクラウドの分野で当社の成長が著しい。今回、日本のトップITベンダーで、クラウドに注力している富士通と手を組んだことで、この分野でのビジネスをさらに伸ばしていきたい」と意気込みをみせる。保守に強いユニアデックスなど、既存パートナーを活用し、販売後のサポートを提供することで、案件の獲得につなげたいとしている。

 国内のストレージ市場は、EMCジャパンやネットアップなど外資系の専門メーカーのほかに、国産の総合メーカーもひしめく激戦区になっている。そんな状況にあって、Tintriは独自技術を生かし、設置スペースを減らすとともに電力の使用量を抑えて、他社製品と比べて運用コストが安いことを武器に、競争に立ち向かう。

 クラインCEOは、「この1年の間、およそ200社の企業が競合製品からTintriに乗り換えたという実績をもつ」として、同社製品の優位性に自信をみせる。(ゼンフ ミシャ)


「富士通とのパートナーシップは約6か月と短期間で締結に至った」と満足げ

ケン・クライン
会長兼CEO
 来年に株式公開を控え、クラインCEOは、Tintriにとって重要な市場である日本でのビジネス体制づくりを急ピッチで進めている。日本法人は、12人のスタッフを有し、ハイタッチ営業などによってパートナーの提案活動を支援する。