日立製作所(東原敏昭社長兼COO)は、対日オフショア開発を手がける中国グループ会社の日立華之櫻信息系統(上海)(SHH、佐藤義博総経理)を清算する。具体的な日付は未定だが、すでに清算に向けた準備を進めている。

 SHHは、2001年10月に設立し、これまで対日オフショア開発を主要事業としてきた。12年度(12年12月期)の売上高は4億4200万円。14年も日本からのソフトウェア開発の受注は堅調だったが、中国国内の人件費の高騰や、急激な円安元高の進行などによって利益の捻出が難しくなっていることから、日立製作所は清算を決断した。

 既存顧客とは、契約満了のタイミングで取引を終了。現地従業員約150人は、合意のうえで、順次、労働契約の解除を行う。一部の従業員には当面の間、顧客との契約完遂や会社清算に向けた準備に従事してもらう予定。

 SHHは清算するが、日立製作所は中国での対日オフショア開発から撤退するわけではない。今後は、日立咨詢(中国)(日立コンサルティングチャイナ)などのグループ会社や、開発パートナー企業を通してオフショア開発を展開していく方針だ。

 中国の対日オフショア開発の市場環境は、ここ数年で急激に厳しくなっている。対日オフショア開発大手の上海海隆軟件の包叔平董事長総経理によると、「最近、日系企業は、自社のオフショア拠点を売却し、資本関係がない中国の開発パートナーに案件を委託する例が増えている。当社に売却したいという声も増えている」という。また、シーイーシー(CEC)など、中国のオフショア開発には将来性が見込めないとして、撤退した企業もある。オフショア開発を今後どう扱っていくのか、IT企業は見直しを迫られている。(上海支局 真鍋武)