チエル(川居睦社長)は3月20日、山口県山口市(渡辺純忠市長)と「タブレット端末導入実証実験事業」に関するコンサルティング業務契約を締結したと発表した。契約期間は2016年3月31日まで。この契約のもと、山口市立白石小学校(松田伸宏校長)と山口市立二島中学校(古田茂樹校長)での実証実験がスタートを切る。

 山口市は、14年3月に「山口市教育振興基本計画」を打ち出し、教育行政における基本的な方向性と施策を示した。計画の基本的な方向性の一つとして、「子どもたちの『生きる力』を育む」との目標が掲げられ、その達成に向けて、「確かな学力を育む」ための施策が示されている。内容は、「子どもたち一人ひとりが、わかることの楽しさ、大切さを知り、意欲をもって学習し、基礎的な学力を確実に身に付けていけるよう、客観的な調査結果などを生かしながら授業を改善し、学校、家庭での学習指導を行う」というものだ。さらに、教材の整備と充実を図るべく、電子黒板やタブレット端末など、ICTを活用できる機器の整備を行うことも明記されている。

白石小学校6年生のタブレット端末を使っての社会の公開授業風景

 一方のチエルでは、教育現場のICT化で多くの実績を積み上げきた。07年にはICTを活用した産学連携プロジェクトとして「フラッシュ型教材活用実践プロジェクト」を始動。東北大学大学院情報科学研究科の堀田龍也 教授や富山大学人間発達科学部の高橋純 准教授のコーディネートのもと、全国小中学校の教員を対象にした情報教育対応教員研修全国セミナー「フラッシュ型教材活用セミナー」の開催を支援したほか、フラッシュ型教材活用サイト「eTeachers」の運営、フラッシュ型教材活用促進リーフレット・研修用ガイドブックの制作などの支援を展開してきた。

 また、08年には、基礎的・基本的な学力の習得に効果がある「フラッシュ型教材」の企画・開発・販売をスタート。近年では、タブレット端末対応教材の企画開発にも着手し、13年には、教育ICT環境で先行している韓国ハンビット初等学校との共同で、タブレット端末活用の実証実験や研究を推進した。さらに14年3月には、教員の教務をICTで支援するタブレット端末対応教務支援システム「らくらく先生スイート」を製品化し、販売している。

2013 年に行われた韓国・ハンビット初等学校でのタブレット端末活用実証実験・共同研究の様子

 山口市は、こうしたチエルの実績と、それを通じて同社が培ってきた知見・ノウハウを評価。市が進めるタブレット端末導入の実証実験事業に関するサルティング業務をチエルに委託し、あわせて、山口市立白石小学校・山口市立二島中学校での実証実験の実施に至ったという。

 今回の契約を通じ、チエルが山口市に対して提供する主なコンサルティング業務は、「タブレット端末導入計画立案支援」や「プロジェクト全体の進捗管理・課題管理支援」などだ。これらの支援のもと、山口市は、上述した二つの小中モデル校でのICT環境整備や授業実践・公開授業などの実証実験(=タブレット端末導入実証実験)を推進していく。