パラレルス(下村慶一代表取締役)のアプリケーション配信サーバー「Remote Application Server(RAS)」の販売が伸びている。昨年度(2017年12月期)は、RAS関連のビジネス規模が前年度の1.5倍に拡大したことから、今年度はさらに倍増させることを視野に入れる。この背景には、競合他社の製品に比べてコストパフォーマンスが優れていることや、ユーザー企業が使っているPCがWindows 10へと切り替わるタイミングで、リモートアクセス環境の整備が活発化していることなどがある。

 VDI(仮想デスクトップ基盤)やDaaS(デスクトップ・アズ・ア・サービス)など、いつでもどこからでも業務アプリケーションを呼び出して仕事をするリモートアクセスソフトは、多くの会社が開発している。このなかでも、パラレルスのRASはできる限り簡素な仕組みにすることで価格を抑えているのが特徴だ。

 同社によれば、「ユーザー数100人規模で導入の場合、システム構築などの費用を含めても1000万円未満。ライバル他社に比べて数割は安い」(義原直樹ビジネスマネージャー)という。

 ユーザー数100人規模の中堅・中小企業ユーザーが主なターゲットだが、「価格のみならず、システムの信頼性や情報セキュリティの完成度の高さ」(義原マネージャー)も評価され、近年ではユーザー数200~300人規模の案件も増えている。折しも、Windows 7のサポート切れを2020年1月に控え、企業で使うPCはWindows 10への切り替えが進んでいる。PCを更新するタイミングで「リモートアクセス環境を見直すユーザーが多い」(日下部徳彦マーケティング部長)ことも、RAS事業拡大の追い風になっている。

 市場が活性化しているタイミングに合わせて、パラレルスでは販路の再整備に着手している。RASの認定パートナー10数社と案件情報の共有を密にしたり、RASを自社のリモートアクセスサービスに組み込んで販売するサービスプロバイダーとの協業にも力を入れる。今年2月にはレンタルサーバー事業などを手がける、使えるねっと(ジェイソン・フリッシュ代表取締役、長野市)がRASを自社のクライアント仮想化サービス「使えるどこでもオフィス」に組み込んでサービスを展開している。
 
パラレルスの義原直樹ビジネスマネージャー(右)と日下部徳彦部長

 こうした動きに呼応するように、この7月に販売を始めたRASの新バージョン16.5では、ユーザー認証機能の強化や月額課金の後払い、冗長構成機能の拡充による信頼性の一段の向上など、「サービスプロバイダーが自社のサービスに組み込んで使うことを意識した機能強化を行っている」(義原マネージャー)と、複数のユーザーの利用に耐えうるより大規模なシステム構成への対応力を高めている。こうした取り組みによって、RAS事業の一層の拡販を狙っていく。(安藤章司)