エス・アンド・アイ(S&I、藤田和夫社長)と、保険事業でコンタクトセンター運営を展開するフィナンシャル・エージェンシー(FA、齋藤正秀社長)は、IBM Watsonを活用したコンタクトセンター向けの通話内容書き起こしサービス「AI Log」の提供を11月21日に開始した。

AI Log一覧画面イメージ

 AI Logを利用することで、コンタクトセンターの全通話内容を、Watsonの音声認識機能であるSpeech to Textを用い自動的にテキスト化し、法令違反や不適切な表現となり得る「禁則ワード」の自動チェックとハイライト表示が可能となる。これにより、通話内容を聞きながら該当カ所を探る「耳」によるチェックではなく、すでにテキスト化された内容を「視覚的」に把握し、チェックすべきカ所を効率的に確認できるようになる。

 また、チャット形式の採用で、オペレーターと顧客それぞれの発話が確認でき、必須ワードのタグ表示など、個人の経験やスキルによらない効率的なチェックが可能となる。先行して利用を開始しているFAでは、これまで全通話の約30%にとどまっていた聞き起こしを全件処理できるようになったほか、作業にかかる時間を年間約1万5000時間削減できるほどの効果が出ているという。

 さらに、FAではAI Logの導入により、オペレーター側の音声認識率90%以上、相対的に音質の劣る顧客側の音声についても認識率約75%と高い精度を実現している。FAは、日本全国の20代から80代までの幅広い年齢、性別、方言などさまざまな特徴をもつ顧客音声ログデータを約400万時間分保有している。今回、音声認識率をいかに高くできるかに重点を置き、これらの音声ログデータとFAがもつノウハウをもとに、S&Iの学習データの構築を専門で行う「CORPUS factory」が効率的に精度を向上している。

 両社は、保険業界に特化した学習データだけではなく、基本的な応対マナーや禁則ワード、方言や人名などの基本的な情報による学習データの精度向上を継続的に取り組んでいく考え。