データを活用してデジタルトランスフォーメーションを実現させよう、という動きが活発になっている。ここで重要になるのはデータ。このデータを提供したり、データ分析を支援するのが、AIデータサービスプロバイダーのDatatangだ。

 Datatangは2011年に中国で設立した。主な事業内容は、データの収集・提供と収集したデータにタグを付けるアノテーションサービスの提供。特に、従来であれば人が一つずつタグ付けを行うが、DatatangではAIを活用することで効率を高めコストを抑えている。このAIを支えているのが、同社のリソースの豊富さと技術力の高さだ。

 同社はクラウドソーシングにより、研究・開発に外部のリソースを取り入れている。クラウドソーサーはグローバルで160万人にも上る。それにより研究・開発を進めることで音声、画像などのデータ処理の技術的特許を20以上持っている。

 データ量の多さも強みの一つだ。音声、自動運転、スマートホーム、スマートシティなどにかかわるデータとして、2.5PBをデータバンクに保有している。こうした強みを生かして三つのサービスを提供している。それがAIに分析させるデータの提供サービス、顧客の要望に応じでデータを収集し加工して提供するデータオーダーメイドサービス、そして三つめがデータ加工プラットフォームの提供と、リモートでの加工オペレーションサービスだ。

 現在は北京、韓国、米国に拠点を設け、これらのサービスを提供している。そして日本市場への進出も計画している。2020年1月にははDatatangと日本企業のウィンリッヂと合弁会社を設立し、日本市場に参入する予定だ。
 
Datatang日本法人の神部育也社長

 日本法人の代表取締役社長に就任する神部育也氏は、「日本市場では三つめのサービス――データ加工プラットフォームの提供と、リモートでの加工オペレーションサービスを中心に展開していく」と話した。

 日本企業もデータを活用したいという意欲は高いが、自社のデータを外に出すことには抵抗感がある。そのため「顧客の環境にデータ加工用のプラットフォームをデプロイし、リモートで加工のオペレーションをする」と神部社長は説明する。米国では、自動車メーカーがこのデータ加工サービスを利用しているという。

 こうしたサービスをまずは研究機関、データを多く保有しているネット企業、そしてユーザー企業へと広げていく。すでに「大手の製造業の研究部門から引き合いがある」と神部社長は話す。

 日本法人設立に向けて着々と準備を進めているDatatang。設立時は従業員5~6人でスタートする予定だが、事業拡大とともに従業員を増やし、20年末には20人、3年後の23年には50人まで従業員を増員し、ビジネスの規模拡大を図る計画だ。