週刊BCNは12月6日、ITメーカーとIT販社をつなぐイベント「BCN Conference 2019 冬」を東京・ベルサール九段で開催した。テーマは「DX時代を生き抜くパートナーエコシステム戦略」。冒頭の基調講演の後には、A会場、B会場に分かれてそれぞれセッションを実施。A会場ではセキュリティに関する三つのセッションと特別講演が行われた。

 A-1セッションでは、カスペルスキーのマーケティング部 東田巌秀部長が登壇し、「サイバーセキュリティ業界のリーダー、カスペルスキーによる新パートナープログラムならびにパートナー様向け重点施策のご紹介」をテーマにセッションを行った。
 
カスペルスキーの東田部長

 東田部長は、近年はOSが標準搭載するセキュリティ機能も強化されているが、実際には企業がサイバー攻撃に対抗するには不十分で、同社製品の導入で多くのセキュリティ課題を解決できると話した。

 例えば、マルウェア本体がディスクに保存されず、メモリ上にしか存在しない「ファイルレス攻撃」。同社の「Kaspersky Endpoint Security for Business(KESB)Advanced」は、このような新しい脅威にも対応する。2020年1月からは新パートナープログラム「Kaspersky United」を開始するほか、価格改定も実施し、より多くのユーザーに製品を届けやすくしていく方針だ。

 A-2セッションでは、ゾーホージャパンのManageEngine事業部 曽根禎行ソリューションエバンジェリストが「改めてリファレンスしたいサイバーセキュリティのフレームワーク」をテーマに講演した。
 
ゾーホージャパンの曽根ソリューションエバンジェリスト

 曽根ソリューションエバンジェリストは、今年も大手企業を含む多くの組織でセキュリティ事故が発生したが、世界で標準的に用いられているセキュリティ基準(フレームワーク)を参照していれば回避できた事故も多いとみられ、日本でも多くの組織が導入している代表的なフレームワークとして、米国国立標準研究所の「CSF」や「NIST SP800」シリーズなどを解説した。

 同社では、適切なセキュリティ体制の構築に役立つIT運用管理ソフト「ManageEngine」シリーズを提供しているが、製品に加えてセキュリティフレームワークを実践するためのツールやドキュメントを用意している。セキュリティ商材の販売に関しては「製品自体をいきなり提案するのではなく、どんな観点で対策する必要があるのかを伝える」ことが、結果として成約につながると強調した。

 A-3セッションでは、ソリトンシステムズのITセキュリティ事業部 木下智雄マネージャが「様々なデータ損失危機を回避する最新ファイルサーバ! ~DX時代に不可欠なデータ管理・運用とは? 事例と共に解説~」と題して講演した。
 
ソリトンシステムズの木下マネージャ

 木下マネージャは、デジタルトランスフォーメーション(DX)時代において電子データが急速に増加しており、「(データを保管する)ファイルサーバーがビジネスの要」であると強調。一方で、ディスク容量の不足やファイルの損失、サーバーの故障など、データ管理を取り巻くさまざまな課題があると指摘する。

 そこで、そうした課題を解決する製品として、「ファイルサーバーUTM」と呼ぶ「VVAULT(ブイボルト)シリーズ」を紹介。「ストレージの仮想化技術」や「ファイルサーバーの監視技術」を強みとする、安全かつ効率的にデータの保管・追加・対策・監視・復元が可能な「ファイルサーバーを強靭化するためのソリューション」だと語った。

 A会場の最後には特別講演1として、総務省の情報流通行政局 情報流通振興課 情報流通高度化推進室 飯村由香理室長が「2020年目前!テレワークの最新状況について」をテーマに講演した。
 
総務省の飯村室長

 飯村室長は、日本の労働力人口が減少傾向にあり、企業の人手不足が深刻化する中で「一人一人の労働時間当たりの生産性向上が課題」だと言い、その解決策の一つとしてテレワークが重要だと語る。実際に「テレワークを積極化している企業の6割以上で労働時間が減少しているというデータがある」と話す。

 ただ、総務省が今年5月31日に公表した「平成30年通信利用動向調査」によると、従業員数100人以上の企業でテレワークを導入している・導入予定がある企業は26.3%にとどまり、特に「中小企業での遅れがある」と指摘。主な理由には「テレワークに適した仕事がないから」だという。総務省としては、関連府省・団体と連携しながら意識改革を促し、また「テレワークマネージャー派遣事業」「テレワーク先駆者百選」「テレワーク・デイズ」などさまざまな施策展開を通して、テレワークの普及拡大を目指していくと話した。