Chatworkは個人間でのメッセージのやりとりはもちろん、グループを作成してチャットすることができる。当初はプロジェクトチーム全体のグループのみを活用していたが、使っているうちにチームの各セクションごとにグループを作成する方が効率的ということに気づき、最終的に七つのグループで作業を進めた。

 共有すべき情報が分散しないか心配だったが、実際に試してみるとPCのフォルダーのような感覚で、情報にアクセスする時間を大幅に節約できた。キーワード検索もできるので、一つの小さなトピックであっても時系列で、どのような問題提起があり、それに対してどのようなアクションを起こしたのか、即座に振り返ることもできた。
 
グループを細分化して必要な情報にアクセスしやすいようにした。キーワード検索もできるので、情報を探す労力が最小限で済む

 使用開始当初はグループへの投稿は控えめだったが、徐々にその頻度は高まっていった。投稿したコメントは後から編集する仕様も背中を押した。また、既読がつかないので、全ての投稿にリアクションする必要はないし、リアクションするときもクリック一つで絵文字を送れば済む。スマホアプリもあるので、外出先から即座に反応することもできる。
 
リアクションのハードルが低い絵文字を用意。スマホアプリで即座に反応することもできる。PCが手元にないイベント当日の情報共有にも役立った

 チャット画面のインターフェースはシンプルながら、できることは多い。例えば、コメント欄下にはビデオ通話や音声通話ができる「Chatwork Live」のタグがあり、離れていても直接コミュニケーションがとれる。検証期間中にはあまり使用しなかったが、テレワーク環境下では大いに役立ちそうだ。
 
チャットからシームレスにビデオ通話に切り替えることが可能

 チャット以外にも便利な機能がある。タスク機能を使えば、担当者や期限を設定して、作業の進行具合を確認することが可能だ。チャットウインドウの隣に常に表示されているので、メッセージでやりとりしながら「これは進捗確認しておきたいな」と思ったら、すぐにタスクに追加できる。
 
タスク管理で作業の進捗を確認

 制作物のやりとりが多く、データ共有の機会がたびたびあったのだが、Chatworkではこれまでのコメントに添付したデータを一覧することもできる。ビューアーもついているので、目当てのデータを探し当てるのも簡単だ。メールでデータを共有していた時代は、それらしいキーワードを入力して手探りしていたので、かなり作業が効率化した。
 
添付データを一覧で表示可能。検索性も高い

 他のプロジェクトメンバーにも感想を聞いてみたところ、「チームの団結が深まった」という意見が多く聞かれた。昨年までは「自分の仕事をやればいい」という傾向が強いように感じていたが、実は各人が協力したくても「誰が何をやっているのか、分からない」という状況だったようだ。それがChatworkによるコミュニケーションで全体の状況がよく見えるようになり、自発的なアクションが起こしやすくなった。

 今回の長期レビューを通して、期待していた「情報の確実かつ円滑な共有」という課題の解決は十分に達成できた。予想外の収穫としては、メンバーからの評価も高かった「コミュニケーションの活発化」が挙げられる。このあたりのメリットは使って始めて分かる部類のものだと思うが、あらゆるプロジェクトで効果を発揮するものだろう。

 今回のイベントに関わったメンバーが来年も引き継がれるわけではないが、今年のログは来年にも生かすことができる。チャット・タスク・データなどを一貫して管理できるツールの強みは、資産を継続して利用できる点にもある。人や場所の流動性が高い環境で働いているのならば、より多くの課題解決に役立つはずだ。(BCN・大蔵大輔)

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