ジョーシスは10月3日、パートナー向けの販売戦略説明会を開いた。SaaS/デバイスの一元管理サービス「ジョーシス」を取り扱ってもらうことによって、パートナーとさまざまな相乗効果を生み出すことを狙うと強調。主な顧客としてきた従業員数300人以下規模の企業に加え、引き合いが増えているエンタープライズ企業への導入も広げていく方針を示した。
 
　同社は現在、パートナーを「CDP（Channel Developed Partner）」と「リセラー」の二つに分けている。CDPはリセラーの育成やカスタマーサポートなどを担い、リセラーは見込み顧客の開拓などに対応する。城戸大輝・パートナー責任者は「売り方のレクチャーや勉強会などは私たちとCDPが提供する。（リセラーは）販売後のカスタマーサポートはパスできるため、非常に手離れのいい仕組みになっている」と述べた。

　その上で、同サービスは、顧客が利用するSaaSやITデバイスの状況が把握でき、ほかのSaaSやソリューションの提案につなげられると説明。組み込み開発に関するSI案件の獲得や、機器のリプレース提案もできるようになるとし、「パートナーの特徴に応じたクロスセルが可能になる。パートナーがすでに担いでいるプロダクトなどと（同サービスを）組み合わせることによって、シナジーを2倍にも3倍にもしていける。パートナーと一緒に成長していきたい」と意気込んだ。また、パートナーが販売しやすいよう、訴求軸ごとの提案資料のほか、パートナー向けの販促ポータルサイトやサービスを紹介するデモ動画など、販売のためのツールも用意しているとし、パートナー販売を積極的に支援する姿勢を見せた。

　同サービスは、300社超の上場企業や中小企業が導入している。これまでは従業員数300人以下の企業を中心にビジネスを展開してきたが、9月には、投資ラウンドにおけるシリーズBラウンドで135億円の資金調達を発表。この調達資金を開発部門へ集中投資し、エンタープライズ企業のニーズにも対応可能なシステムインフラを構築した。

　同社はラクスルの子会社として2022年2月に設立。ITデバイスやSaaSを統合管理し、情報システム部門のオペレーション業務を自動化するジョーシスのほか、ITデバイスの購入ができるECや、キッティングなどのアウトソーシングサービスも提供している。
（大向琴音）