日本IBMは1月30日、東京都港区の虎ノ門ヒルズステーションタワーに本社を移転した。併せて、旧本社に設置していた「IBM Innovation Studio」を虎ノ門へ移設し、機能を大幅に拡張した。同日に開催された新本社見学会では、同社のワークプレイス戦略についても説明。虎ノ門本社を通じて、企業の枠を超えた共創やイノベーションを活性化させる。
山口明夫 社長
本社オフィスには、フリーアドレスの座席やカフェスペース、会議室を備えるほか、コミュニケーションを取るためのコラボレーションスペースを複数用意した。山口明夫社長は「フラットにみんなで議論できる自由な場を提供したいとの考えで、虎ノ門本社を開設した」と狙いを述べた。
新オフィスのコラボレーションスペース
同社は、自分の価値を発揮できる場所を選んで働ける「フレキシブル・ワークスタイル」を目指している。ワークプレイスは大きく三つのグループに分かれており、主に顧客との共創の場である「イノベーションゾーン」、社員同士の共創の場の「コラボレーションゾーン」、個人が集中する場の「パーソナルゾーン」がある。虎ノ門本社はイノベーションゾーンと位置付け、特に顧客との共創を強く推進する方針だ。
新たなIBM Innovation Studioでは、プロジェクション・マッピングや、キヤノンのボリュメトリックビデオ技術を活用して名刺上に3Dで自身の小さな分身を表現できるARソリューションなどが体感できる。5月には360度スクリーンでIBMのテクノロジーに触れられる没入型体験空間が新設予定だ。IBM Innovation Studioを通じ、今後は日本IBMのシンボルとして、学生や海外、経済団体など多様な訪問者の受け入れを促進していく。
(大向琴音)