アマゾン・ウェブ・サービス・ジャパン（AWSジャパン）は7月5日、「Amazon Web Services（AWS）」への大規模なシステムの移行支援プログラム「AWS ITトランスフォーメーションパッケージファミリー（ITX）」の公共向けパッケージ「ITX for PS」を発表した。公共分野のモダナイゼーション推進が狙い。

　ITX for PSは公共分野特有の調達のプロセスを考慮した構成となっているのが特徴。官公庁や医療、教育、NPOなど公共分野の顧客向けに▽システムのモダン化を進めるための支援▽公共専門の分野に関するクラウド活用支援―などを提供する。


　システムのモダン化を進めるための支援では、「モダン化アセスメント」や「モダン化開発支援」などを用意。モダン化アセスメントに関しては、次期システムの企画、移行検討の段階で費用対効果や実現性などを検証するためのアセスメントプログラムがある。モダン化開発支援は、要件定義や仕様検討の段階で、実際にシステムをモダン化するパイロットプロジェクトが体験できる「体験型ワークショップ」などを提供する。

　公共専門の分野に関するクラウド活用支援では、公共特有の専門知識を持った技術チームが顧客の課題解決を推進するほか、クラウド人材の育成やクラウド推進組織の立ち上げをサポートする。

　執行役員の瀧澤与一・パブリックセクター技術統括本部長は、公共分野でのクラウド活用の検討が進んでいるとした一方で、調達のための準備期間や予算化の必要など、民間と異なるプロセスがあり、「システムを移行する上で、どこから始めればいいのかわからないなどの課題がある」と指摘。その上で、「日本の公共のお客様に合うようにプロセスを整備し直し、必要なプログラムを提供するのがITX for PS」だと説明した。
（大向琴音）