富士フイルムビジネスイノベーション(富士フイルムBI)は、広告やWeb、紙の各媒体を使ったマーケティング業務を支援するSaaS「Revoria Cloud Marketing」を7月17日に発売した。Revoriaは商業プリンティング関連ブランド名で、同ブランドを冠したSaaS商材は今回が初めて。印刷業と広告業のユーザーが使いやすいよう配慮されており、将来的に同社の商業プリンティング製品との連携を深めていくことを視野に入れている。
荻野賢・統括グループ長(右)と鈴木拓馬・グループ長
デジタルマーケティングを巡っては、ユーザー企業に伴走支援する「Marketing Cockpit」の提供を2022年1月に開始。Revoria Cloud Marketingでは「2年余りにわたって培ってきたMarketing Cockpitのノウハウや知見を応用、集約してSaaS化した」(DX事業部SaaSビジネス統括グループの荻野賢・統括グループ長)という。広告やWebの運用機能をそれぞれ月額3万円から利用できるようにした。広告はキャンペーン件数、Webは閲覧数によって課金額が増減する従量制を基本としており、幅広い業種・業態のユーザーに手軽に使ってもらえるよう設計している。
近年、印刷業ユーザーが紙とデジタルを組み合わせたマーケティング支援ビジネスを手掛けるケースが増えており、デジタルマーケティングの支援によって、印刷業ユーザーの新しい収益源の獲得に役立つとみている。
印刷業や広告代理業は複数の顧客を抱えていることから、Revoria Cloud Marketingでは「A顧客、B顧客などと案件を切り替えられる代理業態に適したマルチテナント機能を実装している」(DX事業部SaaSビジネス統括グループMDX推進グループの鈴木拓馬・グループ長)。将来的には富士フイルムBIの印刷業向けの商業プリンティング製品との連携強化や、SaaS製品のシリーズ化を検討している。荻野統括グループ長は、シリーズの第2弾について「さまざまな業種・業態で活用できるワークフロー製品が有力候補に挙がっている」と説明する。
国内販売会社の富士フイルムビジネスイノベーションジャパンを通じて一般オフィスや商業プリンティングユーザー向けに販売し、向こう5年で国内1000社の納入を目指す。荻野統括グループ長は「将来的には間接販売チャネルの開拓や海外市場への展開も視野に入れている」と語る。
(安藤章司)