グーグル・クラウド・ジャパンは8月1日、2日、同社の年次イベントである「Google Cloud Next Tokyo'24」を開催した。1日目の基調講演では、AIモデル「Gemini」の「Google Workspace」向け拡張機能のほか、AIモデルの新バージョンなど、生成AIに関するアップデートを発表した。

　GeminiのGoogle Workspace向け拡張機能に関して、ベータ版をアナウンスした。Geminiアプリ上で「Gmail」や「Googleドライブ」「Googleドキュメント」との連携が可能になる。日本語で利用でき、ユーザーが持つファイルや共有されているファイルを参照できるようになるため、メールの要約や検索、データ集計や整理などの業務の効率化が期待できる。加えて、今年後半にGeminiの機械学習処理が国内で完結するようになることも明らかにした。


　AIモデルの新バージョンとして、「Gemma 2」を企業や研究者向けに提供する。Geminiと同じ技術で構築されたモデルで、90億と270億の二つのパラメーターサイズを用意し、エンタープライズ向けのAIプラットフォーム「Vertex AI」を通じて利用可能となる。Preferred Elementsが開発した日本語特化型AIモデル「PLaMo-100B」については、今後「Google Cloud Marketplace」を通じて提供する予定。

　平手智行・日本代表は「AIの活用は、モデルの活用法に注力するフェーズから生成AIエージェントの活用へと急激に移り変わっている」と指摘。基盤モデルだけでなくAIエージェントまで、フルスタックのサービスラインアップで提供し、企業のAIアプリケーションの開発や運用を支援する方針を示した。
（大向琴音）