NECは、2026年度からの次期中期経営計画で、主力のBluStellar事業の売上高1兆円達成に意欲を示した。11月13日に開催した投資家向け説明会で、BluStellar事業を担当する執行役の吉崎敏文・Corporate SEVP兼CDOは「次期中計を見据えて、その中で達成できると確信している」とコメントした。
吉崎敏文 執行役
BluStellar事業の26年3月期の売上高は、前期比15.0%増の6420億円の見通しで、内訳は▽シナリオ▽オファリング▽プロダクト&サービス―の主要3商材の合計で4570億円、アビームコンサルティングが担当するコンサルティング起点のビジネスで1670億円を占める見込み。将来目標の1兆円の構成比として主要3商材を53.2%増の7000億円、アビーム担当部分を79.6%増の3000億円を想定している。
足元の3商材はシナリオが30セット、オファリングが約150セット、プロダクト&サービスが約500商材で構成されており、利益率で見るとシナリオが最も高く「その他の商材に比べて3~5%ほと利益率が高い」(吉崎執行役)という。BluStellar事業のシナリオとは、上流の戦略コンサルティングから構築、運用保守まで一気通貫で担うビジネス形態で、オファリングはプロダクトやサービスの最適な組み合わせを指している。
利益面では、26年3月期のBluStellar事業の調整後営業利益率13.2%の見込みから20%に高めていく目標を掲げており、これを実現するためにプロダクト&サービスからオファリング、さらにはシナリオへとビジネスの軸足を移していく。売れ筋のシナリオは生成AIの活用やセキュリティー強化を前提としたモダナイゼーションやデータ基盤の整備で、生成AIは業種・業務に特化したNEC独自のLLM(大規模言語モデル)を主軸に据え、海外ベンダーが強い汎用LLMとの差別化を図る。
(安藤章司)