弥生がAI時代に向けて開発体制の改革に乗り出す。6月に就任した執行役員の今泉竜一・CTOは、米Google(グーグル)日本法人で技術開発や組織運営に携わり、近年はAIや大規模言語モデル(LLM)を活用したプロダクト開発にも従事した。弥生は会計業務の自動化や経営支援機能の高度化を見据え、AIを前提としたものづくりを進める。
武藤健一郎社長CEO(左)と今泉竜一CTO
武藤健一郎社長CEOもグーグル出身で、両氏は10年以上前にイスラエルで開かれたグーグルの研修で知り合い、その後も交流を続けてきたという。武藤社長CEOは、今泉CTO招聘の背景について、生成AIの進化が想定以上のスピードで進み、従来の開発手法では対応が難しくなっていることを挙げ、「ものづくりを加速しなければならないという課題があった」と説明する。
今泉CTOは弥生について、長年にわたり培われた顧客理解や、経験豊富なエンジニア人材を強みとして評価する一方、「長く積み上がったソフトウェアは強みであると同時に課題でもある」と指摘。複雑化したシステムを見直しながら、AI時代に適した開発基盤を構築していく考えだ。武藤社長CEOは「確定申告がボタン一つで終わる世界に近づけていきたい」と述べ、バックオフィス業務の大幅な効率化に意欲を示した。
AI時代における弥生の役割について武藤社長CEOは、企業活動の基盤となる正確なデータを管理する「System of Record(SoR)」であり続けることだと説明した。今泉CTOは「つくりたいと思ったものを、すぐつくれる強いエンジニアリング組織をつくりたい」と述べ、AIを活用した開発生産性向上に取り組む考えを示した。
(山本浩資)