富士ソフトは、AIエージェントが購買支援を行うエージェンティック・コマース事業を本格的に立ち上げる。「ChatGPT」や「Google Gemini」などのチャットAIサービスと、Web通信販売システムや店舗在庫管理システムと連携させ、AIエージェントがユーザーの意向を理解した上で最適な商品を選び、ユーザーの許可を受けて購買を代行するシステム構築に力を入れる。
エージェンティック・コマースを巡っては、OpenAI主導の「エージェンティック・コマース・プロトコル(ACP)」や、Google主導の「ユニバーサル・コマース・プロトコル(UCP)」といった、電子商取引とAIをつなぐ専用通信プロトコルの整備が進んでいる。
柴田晃宏・執行役員
小売業者のWeb通販サイトや実店舗の在庫管理システムがACP/UCPに対応することで、「ChatGPTやGoogle Geminiが商品や在庫を検索しやすくなり、ユーザーの承認を得た上でAIが購買を代行できるようになる」と、執行役員の柴田晃宏・ネットソリューション事業本部長は話す。
室岡光浩社長
Google検索の上位に表示されるよう対策するSEOと同様に、ACP/UCP対応によってAIエージェント経由の新しい販売チャネルを有効活用できるようになる可能性が高いと見ている。室岡光浩社長は「米国では2030年までにAIエージェント経由の購買が全体の2割に達するとみられている」とし、国内でも追随する動きが出てきているという。
国内では、小売業ユーザーのACP/UCP対応支援ビジネスが先に立ち上がり、その後、企業間取引でもAIエージェントによる購買代行が普及すると富士ソフトはみる。柴田執行役員は「事務用品やPC、コピー用紙などの消耗品はAIエージェントが発注し、サプライヤー側もAIエージェントで受注して発送手続きを行うようになる」と、間接材を中心にAI同士による受発注の自動化が進む将来像を語る。
エージェンティック・コマース事業の事業規模については、「国内市場はまだ黎明期であり、具体的な売り上げ目標は今後詰める」(室岡社長)としている。(安藤章司)