サイリーグホールディングス(サイリーグHD)は10月8日、サイバー攻撃や不審な事象の発生時にAIが状況を精査し、リスクの判断や初動対応をアドバイスするクラウドサービス「サイバー攻撃対応ナビ」の提供を開始する。セキュリティーの専門家が社内にいない企業でも、適切な初動対応できる環境の構築を目指す。9月30日に東京都内で開いた記者会見で、サービスの概要と今後の展開戦略を発表した。
サイリーグホールディングスの
南部弘毅・事業統括ディレクター
サイバー攻撃対応ナビは、サイリーグHDとSMBCサイバーフロントが共同開発したAIセキュリティー判断支援サービス。アラートや不審事象の発生時に「次に何をすべきか」といったサイバー攻撃対応に関する疑問を自然言語で入力すると、AIが危険度評価や確認すべき項目、推奨される対応手順を提示する。必要に応じてスムーズに専門家へ支援を依頼できる仕組みも備える。
AIの判断支援には、SMBCグループが10年以上にわたり培ったSOCの運用知見や、ラックが提供する脅威情報データベース「JLIST」などを活用する。サードパーティーサービスとして提供するため、既存のセキュリティーツールの設定変更やシステム改修を伴わずに導入できる点も強みだという。
中小企業や少人数の情報システム部門を対象とした年間60万円の「Starter」プランをはじめ、企業規模や利用シーンに応じた五つのプランを用意する。販売戦略について、サイリーグHDの南部弘毅・事業統括ディレクターは、SMBCサイバーフロントを販売チャネルの中核に位置付けながら、「全ての組織にサイバーレジリエンスを提供する基盤になっていきたい」と述べ、連携するセキュリティー事業者やセールスパートナーに協業を呼びかけた。
SMBCサイバーフロントの
青木泰憲・代表取締役
開発の背景について、SMBCサイバーフロントの青木泰憲・代表取締役は、生成AIの悪用による攻撃の巧妙化や、多層防御に伴う運用負担の増加が企業活動の障壁になっていると指摘。「専門人材の不足や高額な外部委託費といった課題に対し、現場の知見と自社のIT環境を組み合わせ、誰もが迷わず迅速に対応できる新たな選択肢として開発した」と語った。