視点

2004年、復活の年に

2004/01/05 16:41

週刊BCN 2004年01月05日vol.1021掲載

 デジタル家電市場が、予想を上回るピッチで立ち上がり始めている。“新3種の神器”と称される薄型テレビ、DVDレコーダー、デジタルカメラのうち、すでにデジカメは銀塩カメラ市場を脅かす存在になりつつある。一方、高価格が当面のネックになると目されていた薄型テレビも、この年末商戦を見ると、すでに市場を牽引する商品に成長。それに歩調を合わせるように、価格が10万円を切り値頃感が出始めたDVDレコーダーも伸長している。また、デジカメも、カメラ付き携帯電話を機能面、構成要素面で同系列の商品と位置づければ、なお市場拡大の余地は大きい。

 こうしたデジタル家電、とりわけデジタル放送に対応した薄型テレビは、家庭からネットワークへのゲートウェイに位置する中枢機器として、今後、パソコンと大きく競合してくることは間違いない。「デジタル家電とパソコンとの競合は、何もホーム市場に限ったことではない。一部の業種では、すでに携帯電話を使った業務アプリケーションが登場しているように、いずれデジタルテレビを活用した業務システムが出てくる」(大手電機メーカー首脳)。ここにきてデル、インテル、そしてマイクロソフトがデジタル家電分野に触手を動かしている。だが、米国には家電メーカーが存在しない現在の状況を考えると、そのアプローチは自ずと限られ、デルにしても「(新規参入の)液晶テレビは、パソコンの周辺機器としての位置づけ」にとどまる。

 これに対し日本の電機業界は、90年代後半に始まる事業の“選択と集中”がほぼ最終仕上げの段階を迎え、ITと家電の融合戦略を加速させつつある。松下電器産業が今年、これまで“兄弟会社”として距離を置いてきた住設機器・照明大手、松下電工の子会社化に踏み切るのも、そんな動きの象徴といえる。電機業界はネットバブルの崩壊で、00年秋を境に部品、完成品の不良在庫増大に苦しんだ。だが、その教訓を生かし各社はここ数年、SCM(サプライチェーンマネジメント)の導入などを積極化し、柔軟な生産体制を築きつつある。急激な需要変動にも耐えうるようになった日本企業にとって、フォローの風が吹き始めたデジタル家電分野は、お家芸を発揮できる格好の舞台となろう。あと必要なのは、復活に向けた“自信”というスパイスだ。
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