視点

本格稼働はじめたネット社会

2009/03/02 16:41

週刊BCN 2009年03月02日vol.1274掲載

 2001年にe-Japan戦略がスタートしてすでに丸8年が過ぎた。高速インターネットや電子入札など着々と整備普及してきた部分もあれば、まだまだの部分もある。そのなかでも特に遅れているのが、中小企業や小規模事業所のネット社会対応であり、IT利活用の分野である。

 携帯電話やパソコンなどは個人でも企業でも普及してきているが、ビジネスのIT利用ではネット閲覧や電子メール程度でまだ終始している。またIT活用企業をみても、販売管理や財務会計など守りのシステム利用が多く、顧客サービスや売り上げの向上などの攻めのIT利活用までには至っていない。その点、米国などをみると明らかに攻めのシステム構築や企業間連携など新しいビジネスモデルをネットとIT利活用で実現してきている。


 組織も個人も、ネットにいつでも繋がり、コミュニケーションが取れるようになれば、ビジネス手法やビジネスモデルが大きく変わってくる。今年の3月末、国が進めるJ-SaaSと呼ばれるサービスが20人以下の小規模事業所を対象にスタートする。ネット接続パソコンがあれば、すぐにでも利用できるサービスである。第一次サービスは、経理、財務、販売管理などの基幹系が中心となるが、第二次サービスは顧客情報管理など売り上げアップや顧客満足度向上のための攻めるサービスなども追加される予定だ。


 鉄道中心のころは駅前商店街が栄えた。自動車社会が進展すると、大型店や郊外などの大きな駐車場の店舗で買い物するようになった。そしてネット社会の普及とともにネットからの買い物がリアル店舗の収益を奪っているのだ。すでに数年前に、リアルな百貨店などのお中元、お歳暮の売り上げとネットショップのそれは逆転している。リアルショップだけを見ていると、100年に一度の不景気で売り上げが落ちているなどと思っているが、とんでもないことだ。ネットショップは、最高売上高、最高益を出している。しかも売り上げているのはB2Cの一般ユーザー向けだけではない。それらの売り上げの30倍以上も多いB2Bのネット取引も急増しているのだ。


 これからはいよいよFAXから電子商取引EDIが本格化してくる。全国ITベンダーの出番はこれからだ。e-Japan戦略の仕上げは、2011年7月24日。アナログテレビ放送がデジタルに全面移行する日を目指して、さまざまな施策が動いている。待ったなしでネット社会ができあがってくる。ITベンダーのビジネスチャンスは、山のようにある。


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