マーケットを守る

応研　原田明治 社長

　リーマン・ショック以降、案件自体が落ち始めたため、まずは既存顧客に対するアプローチを積極化する方針に切り替え、「大蔵大臣」の個別原価計算版や「人事大臣」など新機軸の製品を開発・製品化してきた。その結果、2009年は7月頃から回復し、前年対比で毎月上回る実績を上げることができた。

　このような展開は再度、2010年も「マーケットを守る」施策として継続する。そのため、さまざまな新製品を投入する計画だ。国内の企業では、依然としてオフコン・リプレースの需要がある。こうした新しい顧客を獲得するためには、業種に特化した既存製品と新規パッケージソフトウェアを活用し、上位クラスの企業のシステム構築を得意とするSIerとさらに親密度を高めていく必要があると考えている。

　会計ソフトを中心とする「大臣」シリーズは、SIerがカスタマイズしやすいようなツールの提供を09年に開始。さらに業種に特化した販売管理製品などのテンプレートを積極的に出していく。

　現在、当社のパッケージ製品をベースとしてカスタマイズを手がけるパートナーは、約150社に及んでいるが、一方で大手メーカー系列のSIerとの協業も進めている。顧客ニーズに応えるため、「クラウド／SaaS」型の提供も視野に入れ、2010年は「特殊会計」分野の閉じられた顧客を対象にサービスを開始する。それと併せて、新しいビジネス・モデルをつくっていく計画だ。