IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>12.シンヨー(下) ノウハウの蓄積・共有などに効果

2011/01/20 16:04

週刊BCN 2011年01月17日vol.1366掲載

 シンヨー(森哲夫社長)にとって、社内にSaaS/ASPへの抵抗がなかったことは業務改善活動の推進に役立った。寺沢淳・執行役員管理本部総務部部長は「業務を効率化するううえで、SaaS/ASPに魅力を感じた」と振り返る。システム提供を手がけたITコーディネータ(ITC)の児山満氏は「考え方が柔軟」と評する。

 SaaS/ASP型の情報ポータルサイトを導入するにあたって、各部門のエキスパートをメンバーとするプロジェクトチームを結成。経営課題を解決するための要件をまとめた。ITベンダーのプレゼンテーションの際は、経営層も参加して議論を重ねたうえでエー・シー・エス(児山満社長)に決定。寺沢執行役員は「選定に当たっては、三つの理由があった。まずは価格が安いこと。次に、カスタマイズが少なくて済むこと。そして児山氏が同じ建設業界の出身で信頼できたこと」と説明する。

 新システム導入は、2006年6月から段階的に実施。社員にその利便性を実感してもらいながら推進した。利用状況をみて説明会を開催することで、社員の意識改革やスキル統一につなげたという。電子掲示板やスケジュール、社内規定、ISO文書管理、電子稟議、就業管理などの機能を、データセンターからオンデマンドで利用することができるようになった。

 大きな改善ポイントとして挙げられるのは、社内コミュニケーションとノウハウの蓄積・共有、工事部員との業務連携、決裁業務の四つ。リアルタイムな情報共有やひな形を活用した書類作成、事前の残業申請や日報の自動作成、電子決裁による意思決定などが可能になった。稟議書や交際費申請の決裁時間は従来の平均5日間から平均1.5日間にまで短縮。国内外問わずにアクセスできるので、これまでのように事業所間のFAX・紙のやり取りで発生していた記録漏れなども解消した。

 今後は、リニューアル事業の競争力強化を図るべく、営業支援システムと工事日報システム、建物管理システムの利用を検討。このうち、実工数を日々管理する工事日報システムは「現場の負担を軽減するために、優先度は一番高い」(寺沢執行役員)。内定者向けのe-ラーニングなども提供する考えがあるという。(信澤健太)
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