視点
クラウド収益モデルの構築は「待ったなし」
2014/01/30 16:41
週刊BCN 2014年01月27日vol.1515掲載
クライアント・サーバー(C/S)型のシステムを導入するにあたって、システムインテグレータ(SIer)はハードウェアやソフトウェア、LAN環境などを顧客に応じてセットアップする。従来は、この上流工程を高額に見積ることができたし、導入後のサポートで安定したストックを得ることができた。ところが、某大手ディストリビュータの幹部によれば、「SIerが、サポートの部分を流通卸に外注する動きが顕著になっている」そうだ。大きな売り上げが見込めないとみて、多くのSIerはサービス・サポートから手を引き始めたのだ。
C/S型システムやスクラッチ開発をするSIerというカテゴリは、葬り去られようとしている。調査会社のMM総研によれば、国内企業の7割以上が、クラウド活用を優先的に検討する「クラウドファースト」としている。システムを提供する側は、クラウドを前提として提案しなければ存在価値を失うことになる。こうした動きを傍観するプレーヤーは、生き残ることができない。だからこそ、ビジネスモデルを変革しようと躍起になっている。ユーザー企業は、パブリッククラウドとしてGoogleやAmazonなどを使い、基幹システムをオンプレミス(企業内)で保有する──といった具合に、安く効率よく、しかも「攻めのIT投資」を行おうと、ITインフラに変化を求めている。
システムを提供する側は、粗利の低いサービス・サポートの部分は、人海戦術で迅速にセットアップできる大手流通卸に任せて、クラウドとオンプレミスをSIする工程で稼ぐ手法を見出そうとしている。ただ、クラウドは規模で稼ぐ必要があって、中堅・中小企業向け案件をこまめに積み上げるだけで売り上げを伸ばすのは困難だ。といって、いまさらデータセンターに投資するのはリスクが高い。他社のプラットフォーム(基盤)やサービス、ツール類を使って、クラウドとオンプレミスのSIを効率化し、粗利を出せる体制を構築すべき時がやってきている。
ソフトを開発・提供するベンダーにも変化が現れている。会計クラウドのfreeeやmisocaなど、参入障壁の高い領域を果敢に攻めるベンチャーが登場した。クラウド時代の今、人を介する流通網がなくてもサービスは届く。2014年は、ビジネスモデルの変革が勝敗を分ける年になる。
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