「国産パブリッククラウド」が動き始めました。米国に遅れること、10年は経ったでしょう。いっこうに進展をみせなかった理由は、いくつかありますが、その根本はインフラ整備の遅れでした。外資系メーカーがコンテナ型など安価なデータセンターを持ち込みましたが、日本の厳しい建築基準法や消防法など、規制の壁を打ち崩せなかったことが要因の一つです。
さくらインターネットや日本ラッドは、頭をひねりました。不動産の安い所を求めたり、技術革新で、この規制を乗り越えたのです。さくらインターネットのデータセンターは、すでに満杯とのこと。残念ながら、どのサービスベンダーが名乗りを上げたかは聞くことができていませんが、GoogleやAmazonEC2、Zohoのような国産サービスが始まります。
国内を見渡せば、パウリッククラウド型のサービス展開で目立つのは前述のベンダーのほか、日本IBMやマイクロソフトなど少数で、その他の小さなサービスも、ほとんどが米国のサービスをローカライズしたにすぎません。強大な資金力と市場シェアをもつこれら“黒船パブリッククラウド軍団”と、互角に戦えるベンダーは登場するのでしょうか。対等に戦うまでには、相当のアイデアの蓄積と時間が必要です。(谷畑良胤)
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積乱雲湧き上がる「パブリッククラウド」 日本勢、渾身の反撃なるかメールマガジン「Daily BCN Bizline 2010.8.30」より