今日のひとことWeb版

参入障壁の大切さ

2012/05/07 15:26

 ビジネスでは、自社のビジネス領域に他社が容易に入ってこられないように、参入障壁をつくっておくことが大切です。

 日本発の動画コミュニティ大手、「ニコニコ動画」は、このゴールデンウィーク前半の2日間、幕張メッセでイベントを開催しました。若者を中心にリアルで9万2384人、ネット経由で約347万人ものユーザーを集め、ニコニコ動画の人気ぶりがうかがえる催しになりました。

 このニコニコ動画を支える通信回線は実に400Gbps。運営会社のドワンゴ取締役で、かつてNTTドコモでiモード事業の立ち上げに関わってきた夏野剛氏は、「通信会社に勤めていた私でも驚くほどの帯域幅で、これに付随するサーバーやストレージなど、すべての設備規模が参入障壁になっている」と話しています。

 よく考えてみると、Amazonは規模のメリットを生かし、取り扱うほとんどの商品の送料を無料化。Facebookにしても、8億人ともいわれるユーザーと膨大なトラフィックをさばくインフラ、そして圧倒的なシェアが、他社に対する最大の参入障壁になっています。

 クラウドやインターネットをベースにしたビジネスには誰でも自由に参入できますが、その一方で、先に参入障壁を築かれてしまうと、これを覆すのは容易なことではありません。

 情報サービス業でも、データセンター(DC)への投資や他社が容易に追随できない独自のクラウドサービスの開発、強力な販路、圧倒的なシェアなどで参入障壁をしっかり築いていくことが、手堅い収益モデルを築く際の重要なポイントになりそうです。(安藤章司)

【記事はこちら】
<Industry Chart 業界の今を俯瞰する>クラウドサービスの販路 販売チャネルの整備が進む 相関関係や販路開拓の策を探る
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2012.5.7」より
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