日本の「ビッグデータ」は、かつての「検索サービス」と同じ轍を踏むことになるのでしょうか。
ビッグデータの活用は、世の中のサービスをよりスマートに変えていくために欠かせない要素ですが、どうやら、ここでも日本特有の遅疑逡巡がみられるようです。
かつて、検索サービスでは「著作権」が大きな問題となり、検索の高速化に欠かせない「キャッシュコピー」すらグレーゾーン扱いとなった経緯があります。その結果、サービスの国際競争に参加することもできずに惨敗しました。
ビッグデータで問題になっているのは、個人情報保護。大手ベンダーのなかには、「個人情報の扱いがグレーゾーンなので、自社でのビッグデータ活用は様子見」などと、疑い、迷い、ためらっているところがあります。
もちろん、個人特定に紐づかないデータにもとづいたビッグデータ解析もあるのですが、そうではない特定個人に向けたサービスで、検索サービスと同じ轍を踏むことだけは避けたいものです。(安藤章司)
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<Industry Chart 業界の今を俯瞰する>ビッグデータの関連市場 かたちになりつつある新規市場 経営課題を解決する提案力がカギメールマガジン「Daily BCN Bizline 2012.6.7」より