今日のひとことWeb版

「ツートップ」戦略が示すもの

2013/07/18 15:26

 NTTドコモの「ツートップ」戦略で、「ツートップ」に指名されたソニーとサムスン以外のスマートフォンメーカーが苦戦を強いられているようです。

 日本のスマートフォンメーカーで世界シェアをもつのは実質的にソニーだけですので、行き場を失いかけている他の国内メーカーの困窮度合いは容易に想像できます。

 ここでの教訓は、グローバルでシェアを獲ってこなかったこと、受託製造に甘んじる下請け体質が強かったこと、そして、そもそもスマートフォン開発に出遅れ、ビジネスの主導権を海外ベンダーに握られてしまったこと――。これらに集約されるのではないでしょうか。

 しかしこの教訓、どこかで聞いたことがあります。そう、われわれ情報サービス業の少なからぬ部分が、この「ツートップ」以外のメーカーと重なってくるのです。

 経済産業省「特定サービス産業動態統計」の5月のデータを情報サービス産業協会(JISA)が集計したところ、前年同月比3%増で、3か月連続の増加になりました。

 国内ビジネスが堅調ないまだからこそ、日本の情報サービス業が世界の「ツートップ」以内に入ることができるよう、これまで以上にグローバルビジネスや脱下請け体質を推進し、イノベーションの実行に努めたいものです。(安藤章司)

【関連記事はこちら】
どうなる?日本のSIビジネス アベノミクスや中国/ASEAN市場への対応
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2013.7.18」より
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