今日のひとことWeb版

信頼なくして契約なし

2013/12/13 15:26

 IT化が遅れている中小企業に目をつけて、案件の獲得に意欲的に取り組むIT企業が増えています。しかし、中小企業の開拓は容易ではありません。その背景には、ITの予算が乏しいだけでなく、情報システム部門の専任担当者がいない企業が多く、また経営者もITに疎いといった実情があります。

 最近は、初期費用が低く、簡単に利用できるクラウドサービスが中小企業のIT化を促進すると期待されていますが、実際にはまだそれほど浸透していません。中小企業の経営者は一般に警戒心が強く、営業をかけても「会う必要がない」といわれる門前払いもしばしば。いくら提案がよくても、“売りたい”姿勢があらわになると、なかなか受け入れてはくれないのです。

 そんな中小企業を攻略するためには、相手に「当社のことをよく考えてくれている」と思わせることです。IT企業の存在を身近に感じてもらうことが重要で、「ちょっと困ったことがあって……」と、IT以外の悩みでも経営者が気軽に相談してくれるような信頼関係を築かねばなりません。

 ソフト開発を手がけるニックスの小池龍輔氏は、中立の立場から経営やITに関する相談ができるITコーディネータ(ITC)の資格保有者を社内に増やすことで、中小企業との障壁を取り除こうとしています。中小企業のIT化は、地域の活性化にとっても重要な課題。工夫を凝らして信頼関係を構築していけば、開拓できると期待をふくらませています。(真鍋武)

【記事はこちら】
小池龍輔ITC(上) 中小IT企業でITC資格を生かす
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2013.12.13」より
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