日本のソフト会社は、MicrosoftやSAP、Adobeのように、世界の誰もが知っているグローバルスタンダードのソフトをつくることができないまま、今に至っています。とはいえ、日本のソフトが海外でまったく売れていないかといえば、実はそんなことはなく、意外なところで使われているものもあるのです。
グローバルスタンダードとはいいがたいのですが、業務ソフトのコアの部分だけを海外に持って行き、あとは地場ユーザーの要望を聞きながらカスタマイズする手法で、地道にシェアの拡大に努めているケースが多いのです。
日本のユーザーは何かとカスタマイズを好むのですが、どうやら日本のソフトベンダーも、カスタマイズ慣れしていて、この点を海外での強みに転換しているという構図のようです。
販売や財務、給与など、基幹系システムに食い込むことは難しくても、中国やASEANで、介護福祉やリース、資産管理など、地味ながらも特定分野で実績を築きはじめています。日本で育まれたある種の顧客志向的なカスタマイズ精神が、海外で開花しつつあるといえそうです。(安藤章司)
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<中国・ASEANで儲ける――現地でヒットする商材・ダメな商材>第21回 投資効果を最大限にメールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.5.22」より