日本橋川にかかり、大手町と内神田をつなぐ鎌倉橋。この橋を渡ると、最新の建築手法を取り入れた高層ビルが建ち並ぶ都会の中心部から、小さなビルが密集し、どこか昭和の雰囲気を感じる街に入ります。道を歩く人々は、スマートな「大手町のビジネスマン」から、身だしなみにあまり気をつかわない「神田のサラリ―マン」へと、ガラリと変わります。ここ内神田に、BCNの本社があります。
先日、あるIT企業への取材が決まったとき、先方から「では、弊社の大手町オフィスで」と連絡が入り、住所を確認したら、大手町ではなく、ご近所でした。「なんだ、神田じゃん」とダジャレを飛ばしながら、かつて自分も大手町駅をよく利用するのをいいことに、「勤務地は大手町」と言ったことがあるのを思い出して、ちょっと反省しました。
IT業界は、クラウドなど、格好のいい名前がついた技術が登場し、商材が多様化している環境下で、自社の商材を「ソリューション」として訴求して、提案内容を大きくみせる傾向があるようです。しかし、ユーザー企業が攻めのIT投資を掲げ、ITシステムによる事業展開の強化を目指すとき、求めるのは「見せかけ」ではなく「本質」です。IT企業は少し反省して、本当に必要なものを素直に提案する姿勢をもつことが必要でしょう。
記事では、インフラ提供という原点に立ち返ろうとしている兼松エレクトロニクスの菊川泰宏社長にインタビューして、提案の「本質」を追求する際のヒントを探しました。(ゼンフ ミシャ)
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兼松エレクトロニクス 代表取締役社長 菊川泰宏――原点に立ち返って「KELらしさ」で勝負メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.7.16」より