カシオ計算機が社長交代を発表しました。現社長の樫尾和雄氏が会長職に、社長には和雄氏の長男、和宏氏が就任します。和雄氏は1988年に社長となり、27年間、カシオの舵を取ってきました。そのなかで一番の成果といえるのは、「一度は6000億円規模の企業にまで成長させた」こと。昨年度(2015年3月期)の売上高は、3383億8900万円(前年度比5.2%増)でしたので、和雄社長時代のカシオは、現在の倍近い規模にまで業績を伸ばしていたわけです。

 ですから、逆に和雄氏の最大の失敗は、売り上げの最盛期の半分近くにまで落ち込ませたこと。そのため、前年度比5.2%増の売り上げを達成しても、「この程度の売り上げでは、まったく満足できない」と和雄氏。今後3年間で5000億円へと売り上げを拡大させるとの目標を掲げています。

 ちなみに、昨年度の営業利益も、前年度比38.3%増の367億6300万円と大幅に成長したが、この数字も、和雄氏にとっては不満足。今後3年間で「倍増の750億円を狙う」としています。

 もっとも、こうした数値目標の達成を担うのは、和雄氏ではなく、和宏氏と、同氏率いる経営陣。大幅な増収増益の目標を課せられた和宏氏ですが、「(カシオの成長向けて)全力で努力する」と、語気を強めます。仮に3年後、本当に目標を達成することができれば、和宏氏は、「カシオ大復活」の立役者として、同社の歴史に名を刻むことになるのは確実です。また、和雄氏も最適なタイミングで社長の座を譲ったということで、改めて高く評価されるのは間違いありません。

 さてどうなるか。カシオのこれからに注目です。(佐相彰彦)

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カシオ、社長交代を発表、長男の樫尾和宏氏が社長に 現社長の樫尾和雄氏は会長に
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.5.18」より