8月の最終週、中国吉林省の省都・長春で開催された国際会議「サービス貿易大会」を取材しました。中国はソフトウェア開発の受託やBPOなど、サービス貿易の強化を国策の一つとしており、日本向けのオフショア開発はまさにその中心。しかし、仕事の量は堅調に推移してきたものの、円安元高と人件費の高騰で収益性は急激に悪化。オフショア開発事業が曲がり角を迎えているという状況については、これまでも『週刊BCN』で何度かお伝えしてきた通りです。

 このような事前情報を得ていたので、今回の取材では、対日事業に関して積極的なコメントは得られないのではないかと、想像していたのですが、実際には多くの企業や行政関係者から、日本とのビジネス拡大を望む声を聞くことができました。詳しくは来週・9月14日号の本紙でリポートしますが、長春のような地方都市では、北京や上海に比べ人件費やオフィス賃料の安さを生かし、IT企業の誘致が盛んです。一級都市からの引っ越しは簡単なことではないものの、上客である日本企業向けの仕事を続けたいIT企業にとっては、地方移転が事業を持続させるための有力策になっているということです。

 「中国では日本の化粧品が大人気」といったように、我々もしばしば「中国では」という言い方・書き方をしてしまいますが、「中国では」というくくり方は大ざっぱすぎることのほうが多いかもしれません。同じ対日オフショア開発についても、上海と長春ではずいぶん見方が異なる。現地に行ってみて、それを実感することができました。(日高彰)

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中国・長春でサービス貿易大会開催、対日サービス市場に熱い視線
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.9.8」より