パブリッククラウドサービス上で仮想マシンを作成するとき、管理画面ではメモリやストレージのサイズに加えて、OSの種類を選択するメニュー項目があります。さくらインターネットのクラウドサービス「さくらのクラウド」では、CentOSやWindows ServerといったおなじみのOSのほかに、今月から「KUSANAGI」がメニューの選択肢として加わりました。これは、コンテンツ管理システム「WordPress」の高速動作のためにチューニングされた仮想マシンで、大量のアクセスが寄せられるウェブサイトをより高速に、あるいはより少ないリソースで運用することができます。

 KUSANAGIを開発したプライム・ストラテジーは、WordPressを扱う技術に定評のある開発会社ですが、最近ではアジアを拠点にしながら世界でビジネスを展開するグローバル企業向けに、遅延を最小限に抑えつつ、遠隔地に向けてスムーズにコンテンツを配信するシステムの開発や、運用サービスを提供しているとのことでした。

 同社の中村けん牛社長に「もともとネットワークに強い技術者の方が社内にいたんですか?」と聞いてみると、ユーザーから「KUSANGIのおかげでサーバーのコストは減らせたけど、転送量は減らせないから回線代が安くならない。なんとかならないか」という要望が寄せられ、それに対応するためにコンテンツ配信のノウハウを身に着けていったのだといいます。

 時として「日本企業は技術にこだわるあまり、市場のニーズを見誤る傾向がある」と批判されるように、確かに技術が空回りしユーザーニーズ不在の製品も世の中には少なくありません。しかし、最新のニーズは高い技術をもつプレイヤーのもとに寄せられ、技術がビジネスを成長させるということにも間違いはないようです。(日高彰)

【記事はこちら】
さくらインターネット、「KUSANAGI for さくらのクラウド」の提供開始
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.10.7」より