中国で日々新しいニュースを追っていると、現地の企業が発信するプレスリリースやメディアの報道では、「A社が第1回目の増資で1億元を調達した」など、資金調達に関する内容がかなり多いことに気が付きます。確かに、大きな金額が動くニュースには話題性があるのですが、こうした情報発信が多い背景には、中国ならではの市場特性も大きく影響しているように思えます。

 市場変化が早い中国では、新たなビジネスモデルが続々と生まれています。近年では、タクシー配車アプリや自転車シェアリングなどがその好例。こうした市場には、短期間に参入する企業が爆発的に増加します。そうすると、サービスは一気にコモディティ化して、その後は価格勝負に突入。各社は、赤字覚悟で大規模な広告マーケティングや値下げキャンペーンを実施し、顧客を囲い込もうとします。

 この過程では、大規模な資金が必要となるため、各社はその調達に乗り出します。うまく資金を集められない企業は、やがて体力を消耗し撤退に追いやられ、そこで市場の覇権を握る企業が決まるのです。つまり、短期決戦型の中国市場では、資金をいかに集められるかが勝敗を分ける重要なポイントなので、メディアや企業の関心もそれだけ大きいというわけです。(上海支局 真鍋武)