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やっぱりロボットは人間の味方

2021/02/19 10:00





 近年、製造業では生産性や歩留まりの向上、コスト削減を目指すため、ロボットの導入による省人化が進んできました。反復作業が多い製造業では自然な流れのように感じますが、直近では必ずしも人間が行っていた作業の全てをロボットに代替させることが結果につながるわけではないと分かってきました。

 特にその要因となっているのが、ロボットを含めた自動化設備の複雑化と大型化です。単純に高機能なロボットは、コストがかかるほか、それを管理するための人員を用意する必要があります。

 また、産業用ロボットを設置するには安全対策として柵を設ける必要があるため、広いスペースも確保しなくてはいけなかったのだとか。結果的に、本来生産性やコスト削減を実現するために導入した産業用ロボットが生産コストを上昇させる原因になってしまうケースがあります。

 一方、それらの解決策として普及が進んでいるのが協働ロボット。人の近くで作業を補助・削減するロボットのことで、2013年の労働安全衛生規則改正で柵で囲わずにロボットを設置できるようになったことから開発が進んできました。

 矢野経済研究所のデータでも、出荷台数が拡大傾向にあり、30年に10万2000台が世界で出荷されると予想されています。今後のスマートファクトリーには欠かせない要素となりそうです。

 AIやロボットの登場によって人間の職が奪われるという主張が増えてきていますが、こういった潮流を見ていると、やはりテクノロジーは道具であって私達の味方なんだと実感しますね。(銭君毅)

【記事はこちら】
矢野経済が協働ロボット世界市場を調査、20年はコロナの影響などで減速し台数は2万5000台に
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