20年余りにわたって経営トップを担ってきた富士フイルムホールディングスの古森重隆会長CEOが、この6月の株主総会のタイミングで退任します。

 古森氏が社長に就任した2000年は、カメラ用フイルムの売り上げがピークで、利益の3分の2を稼いでいましたが、デジタル化の急速な進展によって、わずか数年で赤字事業に転落。これを予見し、フイルムで培った技術を軸にビジネスの多角化を推し進め、21年3月期はコロナ禍の混乱を押しのけて過去最高の当期純利益を叩き出せる見通しです。

 世界中のカメラ用フイルムメーカーが倒れていく中での富士フイルムの躍進は、そのまま「富士フイルム」のブランド力の向上につながりました。

 この4月1日付けで旧富士ゼロックスから社名を変更した富士フイルムビジネスイノベーション(富士フイルムBI)は、初めて富士フイルムのブランドを冠した複合機・プリンタ新製品を発表しました。

 60年近く使っていた富士ゼロックスブランドからの変更となりますが、事業多角化の成功を背景とした「富士フイルムのブランドは強力で、世界でも称賛されている」(富士フイルムBIの玉井光一会長)と、富士フイルムブランドでの世界展開に手応えを感じています。(安藤章司)

【記事はこちら】
富士フイルムビジネスイノベーション 新体制が始動、世界市場をターゲットに 新製品も続々投入、国内は地域密着で勝負