店頭販売奮闘記

【店頭販売奮闘記】イメーション(上) 店員の気持ちになって売り場をつくる

2009/12/10 18:45

週刊BCN 2009年12月07日vol.1312掲載

 このコーナーでは、店頭販売に注力するメーカーの販売第一線の動きを紹介する。(上)では各社の販売戦略や体制を、(下)では現場の奮闘ぶりを追う。

桂 幹 コンシューマ商品
マーケティング本部 本部長
 イメーションは、2007年にTDKの記録メディア販売事業を買収。イメーションブランドのメディアやPC周辺機器に加え、「TDK Life on Record」ブランドを継承するメーカーとなった。これを機に、営業担当やラウンダーだけでなく、マーケティングの視点でチャネルごとに拡販施策を提案するための組織として、チャネルマネジメントグループを設けた。営業とマーケティングの間を埋める役割で、グループの担当者は、販売店向けの営業担当者に同行して市場動向や業界動向などの情報を説明したり、販促物の提案、販売店向けの勉強会などを行っている。

 メディアの販売チャネルは、家電量販店やPC専門店に加え、ホームセンターやレンタルビデオ店など多岐にわたる。例えば、家電量販店にメディアを買いに行く人は「メディアを買いに行くことを一つの目的にしている」が、レンタルビデオ店では「ついで買い」というパターンが多い。それぞれのチャネルに合った「理想的な売り場」を提案するためにも、購買動向を踏まえたマーケティング視点の提案が必要となる。こうした仕組みをつくることで、「実売に繋げる」狙いだ。

 光ディスクは規格品のため、「冷蔵庫が片開きなのか両開きなのかというように、ライバルメーカーとの相違点が目に見えるわけではない」(桂・本部長)。一方で、規格の種類が多く複雑なことから10分間も店頭で考え込む人がいるなど、一般消費者にとって「選びづらい商品」ともいえる。製品パッケージでは規格ごとの色分けなどで工夫しているが、「わかりやすい売り場をつくることが求められている」と桂・本部長は力を込める。

 売り場では規格ごとに札を入れたり、トップボードなどの説明ツールを採用してもらっている販売店もあるが、お客が「ライバル製品を選んで購入したとしても、それはそれでかまわない」という。なぜなら「イメーションの立場としてではなく、店員の気持ちになって売り場づくりを考える」という理念が根底にあるからだ。(田沢理恵)

・(下)に続く
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