富士通は今年8月から、米ニュータニックスの仮想化ソフトウェアを搭載したハイパーコンバージドインフラ(HCI)製品「Nutanix Enterprise Cloud on PRIMERGY」(以下Nutanix on PRIMERGY)の販売を開始した。同社製のx86サーバー「PRIMERGY」に、ニュータニックスの「Nutanix Enterprise Cloud OS」を導入した状態で出荷し、ハードウェアとソフトウェアの両方について富士通の販売網を通じた保守サービスを提供する。価格は3ノード構成で2282万円から。

大竹直樹事業部長

 富士通はこれまで、ヴイエムウェアの「vSAN」およびマイクロソフトの「Azure Stack HCI」をベースとしたHCI製品「PRIMEFLEX」を販売してきた。データセンタプラットフォーム事業本部の大竹直樹データセンタ事業部長によると、「2018年度の当社のHCI販売は前年度から倍以上に増加しており、HCI市場全体の成長以上に推移している」といい、売上高、市場シェアがともに好調な伸びを示していると説明。さらに、18年度はパートナー経由での販売比率が63%まで拡大し、初めて直販/間販比率が逆転したという。

 ただし、大竹事業部長は「ニュータニックスのHCIは日本市場でも人気が高いが、従来は当社としてそのニーズにお応えできる製品が用意できていなかった」と話し、ニュータニックスベースの製品を“指名買い”で求められる案件では、同社が失注するケースも少なくなかったという。ニュータニックスをHCIのラインアップに加えることで、より多くの顧客にアプローチできるようになるのは確実とみられる。

 ニュータニックスは従来、アプライアンス型での製品展開が主流だったが、幅広いサーバーメーカーに対しソフトウェアを提供する方針に転換している。富士通以外でもニュータニックスHCIの販売が活発化することが考えられるが、「国内サーバー市場で首位の実績があることに加え、ソフトウェアまで含め“日本品質”のサポートを求める企業は多い」(大竹事業部長)ことから、他社製品に対しての優位性を継続して発揮できると見込む。

 なお、同社製サーバーとグローバルベンダーのソフトウェアという組み合わせは、従来のPRIMEFLEXと共通だが、PRIMEFLEXは富士通の運用管理ツール「ISM」に対応し、他の富士通製品との統合管理が可能なのに対し、Nutanix on PRIMERGYではニュータニックスの管理ツール「Prism」を使用することになる。また、ハードウェアの構成についてもPRIMEFLEXのほうが自由度は高いといい、アプライアンス的な性質を残しているのがNutanix on PRIMERGYの特徴となっている。(日高 彰)