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「NetApp INSIGHT 2025」現地レポート AI向けにストレージを再定義・再発明する
2025/11/20 09:00
週刊BCN 2025年11月17日vol.2082掲載
(取材・文/本多和幸、編集/日高 彰)
米NetAppのジョージ・クリアンCEO
「AI対応データ」の整備はまだまだハードルが高い
独自のストレージOS「ONTAP」を擁するNASのパイオニアとして知られる同社は、SANストレージとしても利用できるユニファイドストレージや、クラウドにもONTAPを展開しハイブリッドクラウド環境でシームレスに利用できるストレージサービスなどで、法人向けIT市場における存在感を高めてきた。現在の注力領域は、他の多くのエンタープライズITベンダーと同様にAIだ。INSIGHT 2025の基調講演に登壇したジョージ・クリアンCEOは、多くのユーザーのAI活用は実証実験からビジネスへの本格的な実装フェーズに移り、プロジェクトの規模も急拡大しているという認識を示した上で、新たなデータ整備の課題が顕在化していると指摘した。「技術的には企業データの全量を分析できるようになったが、業務アプリケーションの生データを『AI対応データ』に変換するハードルはかなり高い。AIプロジェクトの約80%の時間がデータ整備に費やされている」(クリアンCEO)。
生データをAI対応データに変換するための「データパイプライン」は、AIプロジェクトに必要なデータの整理(キュレーション)、ガバナンスやセキュリティーの実装、メタデータ管理、ベクトル化といったプロセスで構成される。クリアンCEOが問題視したのは、「この過程で平均六つのデータコピーが生成され、データパイプラインが高コストで非効率、脆弱になっている」ことだ。「既存のパイプラインは、構造化データを扱う従来のビッグデータ分析向けに設計された手法を流用している。“データの重力”に逆らって膨大なデータをコピー、移動させており、アクセス制御や来歴情報がこの過程で失われるリスクもある。AIが真価を発揮する領域であり、かつ企業データの80~85%を占める非構造化データや、AIアプリケーションの要求に対応できる技術が必要だ」(同)。
- 「ゼロコピー」のデータパイプラインを構築
- クリアンCEO 「ハイパースケーラーやデータプラットフォームベンダーとの補完関係は拡大する」
- 新たな価値を市場に届けるためのパートナーエコシステムとは?
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