ブラザー販売
カラーレーザータンデム機を自社開発　新ブランドに「ジャスティオ」設定

　ブラザー販売は、自社開発のカラーレーザータンデムエンジンを搭載した「ジャスティオ（JUSTIO）」シリーズをスタートさせた。

　「プリンタ事業を続ける上で、カラーエンジンは自前で開発しなければならないと考え、5年ほど前に開発に着手した」と語るのは情報機器事業部マーケティング推進部商品企画Gの大澤敏明担当部長である。

■カラー、モノクロとも20枚／分

　「ワールドワイドで、SOHOや企業のワークグループ、店舗や事業所などの小規模ビジネス空間で使用することに適した商品を届けるというのが当社の基本戦略で、A4複合機やA4プリンタに力を入れてきた。今回の新製品でもこの基本戦略は踏襲、コンパクト、コストパフォーマンス、カラー出力の高速さを徹底的に追求した」という。

　新開発のカラーレーザータンデムエンジンはカラー、モノクロとも20枚／分のスピードを持つ。従来機のMFC-9420CNはカラー8枚／分、モノクロ31枚／分だった。同社は従来から複合機に力を入れてきたが、「新エンジンを開発するに当たっても、当然複合機を視野に、プリンタ、複合機双方で利用できることを狙った」という。

　製品のラインアップは、複合機としてMFC-9640CW、MFC-9440CN、DCP-9040CNの3モデルを揃え、プリンタはHL-4040CNの1モデルにした。

　メイン機種にはMFC-9440CNを想定しており、カラープリンタ、カラーコピー、カラーファクス、PCファクス送受信、ネットワーク標準（有線LAN）を搭載している。価格はオープンだが、11万円前後とみている。上位機種になるのがMFC-9640CWで、スキャナ機能を強化、両面カラースキャンやファクス送信を可能にした。価格は12万円。ファクス機能を外したのがDCP-9040CNで、価格は9万円。カラーレーザープリンタのHL-4040CNは6万円。

　共通する大きな特徴は、タンデムエンジンを水平に搭載することで、複合機でありながら高さは48.2センチと世界最小※を実現、用紙補給や消耗品の交換など、全ての操作が前面で行えるため、高さのない場所にも設置できる、収納型カセット給紙で、用紙をセットしても出っ張りがなく、スッキリ置ける、プリンタドライバの簡単設定で、カラートナーが空になったり、装着していなくても、モノクロ印刷は行える「クロだけ印刷」機能を搭載など。

　「狭い場所に置けるというのは、当社が想定しているユーザにとっては、極めて重要。たとえば、フロントオペレーションが可能なら机の下に置くこともできる。技術的には難しいテーマだがきっちり対応した」と強調する。

■非店頭系ルートの比率拡大を図る

　同社はコンシューマ市場向けにはマイミーオ（MyMio）シリーズを投入、量販店の店頭販売には大きな実績を持っている。「量販店も法人営業部を置いて積極的に法人向け販売に力を入れるところが増えている。当然そういったルートを活用するとともに、非店頭系ルートの比率を上げていく」というのが当面の販売戦略だ。

　非店頭系ルートは、Sier、システム系ディーラーなどに積極的に働きかけていく意向だ。

　新製品の出足は好調という。「テレビコマーシャルを入れたこともあり、手応えはいい。用紙の使用量をみると、世界ではA4が78%、日本では23%というデータがある。日本でもA4で十分というユーザーは着実に増えている。ジャスティオというブランドには、ビジネスにJUST FITするという思いを込めた。ブラザーグループは、現在3ヶ年戦略「CS B2008」（2006-2008年度）を展開しており、“カラーのブラザー”としてのポジション確立を戦略課題として掲げている。その中核製品がジャスティオ」と、文字通りブラザーの未来を左右する戦略製品といえる。

ブラザー販売＝http://www.brother.co.jp/

（週刊BCN　2007年11月26日号掲載）