4月1日、「労働基準法の一部を改正する法律」が施行された。これにより、「1か月60時間を超える労働時間の割増賃金率の引き上げ」や「時間単位の年休制度」など、新たな施策がスタートすることとなった。つまり、企業内の人的リソース(ヒューマン・キャピタル)に関わる業務が煩雑になり、総務・経理部門の負担が増大するわけだ。

 法制度という外的要因だけでなく、企業内部の社員構成の変化も事務を複雑化させている。契約社員やアルバイトの人員が増え、勤怠管理や給与支払いの面で“例外措置”がウエートを高めてきている。このように複雑で煩雑化する人事・給与関連の業務を効率化するために、ITの利活用を考える企業のニーズが顕在化してきた。最近では、SaaSや携帯端末への給与情報を配信し、給与明細の印刷費や郵送料金などのコスト削減に注目が集まっている。人事・給与関連のソフトウェアを開発するベンダーは、いかに業務を効率化してコスト削減できる機能を盛り込むかを競っている。そうした状況の下、多くの企業が人事・給与システムの入れ替えや新規導入を始めている。

日立中国ソリューションズ
人事給与を中小企業へ拡販
SaaS、ケータイ展開を強化

三戸修自氏
共通パッケージソリューション部 部長
 「改正労働基準法」が4月1日に施行されたことなどを受け、日立中国ソリューションズは、総務系ソリューション『Hi・PerBTシリーズ』を、既存ユーザー層である中堅企業に加え、中小企業に対しても拡販する。

 『Hi・PerBTシリーズ』は、『人事給与システム』のほか、給与明細を携帯電話などに配布する『モバイル給与』、稟議・社内申請・届出・承認業務ワークフローを電子化する『ウェブ申請』などを備えている。人事給与は、「グルーピングされた情報をExcelと同じ要領でタブ管理し、情報の取出しが簡単にできるなど、柔軟性・拡張性が高く、ERP(基幹業務システム)など他システムとの連携性も高い」(田畠伸一・パッケージ営業第1グループ部長代理)という。他社の同等システムに比べ、視覚的に操作しやすく「使い勝手」に優れているのが特長だ。

 同シリーズは1995年に販売開始して以来、昨年度出荷(2010年3月期)で全国1000社(ライセンス数は2300以上)を超えた。導入企業は従業員1000~2000人の中堅企業が主な顧客。同社は、『Hi・PerBTシリーズ』の幅広い層への拡販を狙い、部門・拠点間利用を容易にするためのWeb化や携帯電話とモバイルパソコンから利用できる環境を整えるなどの機能強化を施してきた。三戸修自・共通パッケージソリューション部部長は「ユーザー自身で運用・エンハンスができ、メーカーに頼らずに運用できる」と、社内に散在する総務系システムを統合化するのに適したパッケージであることに自信を示す。

田畠伸一氏
パッケージ営業第1グループ 部長代理
 最近は、給与明細を電子交付できるようになったことから、自由に帳票を設計し、各種明細を携帯電話などへ配布できる『モバイル給与』に対する需要が高まっている。三戸部長は「元々、ガソリンスタンド従業員向けに開発した。パート・アルバイト、外勤者の多い工場や多店舗展開企業のニーズが高い」という。従業員約1000人規模の企業で給与明細の郵便配送料や明細書の用紙代などが不要になり、コストを7割削減した例もあった。そこで、『モバイル給与』を切り口に多店舗・事業所を展開する企業を新たな対象として拡販していく。

 また、『ウェブ申請』を使って帳票のペーパレス化が進めば、さらに総務費のコストを減らすことができる。同社では『モバイル給与』をSaaS提供しているが、「他のシリーズもクラウド/SaaS展開を検討している」(田畠部長代理)と、さらなる「使い勝手」の向上を目指す。

 『Hi・PerBTシリーズ』の販売パートナーにはAPIを公開し、開発ツールを用意。三戸部長は「販社独自のメニューを作れるようなインタフェースを用意している」としており、システムインテグレーション(SI)を展開する新たな販売パートナーを全国で獲得する動きをみせている。なお、当製品は7月7日~9日東京国際フォーラムにて開催の【ヒューマンキャピタル2010】にて出展する(小間番号H125)。