9月16日、ITインフラのソリューション・ディストリビュータであるネットワールドは、セキュリティスイッチのパイオニア、韓国のハンドリームネットと総代理店契約を締結、セキュリティスイッチ「SGシリーズ」を、日本市場で本格展開する。

ネットワールドがハンドリームネットと総代理店契約を締結

 ハンドリームネットは、韓国国内で30%以上のシェアを獲得しているネットワーク機器ベンダーだ。業種・業態を問わず、あらゆる市場で活用されているほか、サムスン電子やLG-エリクソンなどへのOEM供給も手がけており、「セキュリティスイッチ」という新ジャンルを開拓した先駆者といえる。

 韓国で確固たる地位を築いたハンドリームネットは、海外市場開拓の第一歩として、日本に現地法人を設立した。日本法人社長の琴 正在(クム チョンゼ)氏は、「日本市場は品質を重視する市場。日本で成功すれば、グローバルに通用する製品になると考えた」とその理由を語る。

ハンドリームネットの琴正在・日本法人社長

 そんなハンドリームネットとの出会いを、ネットワールドの森田晶一社長は「当社の技術部で、検証用のLAN内で、ガンブラー ウィルスの亜種や感染力を調査していた際も、『SGシリーズ』(ハンドリームネットのL2スイッチ)で検知・遮断ことができたことで、非常にすぐれた製品という印象をもっていた」と語った。その後、クライアント環境のセキュリティ対策には、L2スイッチレベルでの対策が必要であるとの考えをネットワールドは持ち、ハンドリームネットの製品を取り扱うことを決め、今回の総販売代理店契約の締結に至ったわけだ。

ネットワールドの森田晶一社長

セキュリティ機能を付加したL2スイッチ「SGシリーズ」

 ネットワールドの技術者をうならせた「SGシリーズ」の詳細を説明しよう。「SGシリーズ」は、ハンドリームネットが独自開発したASIC(Application Specific Integrated Circuit)ベースのセキュリティチップを搭載したL2スイッチ。スイッチング機能とセキュリティ機能が物理的に分かれているので、スイッチとしてのパフォーマンスを落とすことなく、セキュリティを向上させられるのが強みだ。

セキュリティスイッチ「SGシリーズ」

 セキュリティ機能では、特許技術「MDS セキュリティエンジン」を核として、ネットワーク全体の性能や帯域幅の低下をもたらす有害なトラフィックを検知・遮断する。有害なトラフィックの検知・遮断なら、侵入検知システム(IDS)や侵入防止システム(IPS)を導入すればいい、という人がいるかもしれない。しかし、これら高価なIDS/IPS製品をワーム/ウィルス感染源の近くに設置することはコスト的に不可能だ。「SGシリーズ」は、クライアントPCから発生する有害なトラフィックの検知・遮断をL2スイッチに搭載されたASICで実施できることに加え、普及している大手メーカーのL2スイッチ製品と同レベルの価格帯となっているので、コストパーフォーマンスに優れ、かつ感染源に一番近い場所で防御できる製品となっている。

 これまでは、USBワームなどによって内部で問題が発生した場合、ワームが二次拡散したうえ、大量のトラフィックが発生して、ネットワーク攻撃やハッキング、情報漏えいなどを引き起こすケースがみられた。このような事態になるとネットワークが利用できず、業務停止を余儀なくされることも多い。「SGシリーズ」を導入していれば、問題が発生したとしても、ネットワークエッジで封じ込めることができるので、万が一ウィルスに感染したとしても、社内での拡散やウィルスによる内部ネットワークに対する攻撃、ハッキングの問題も防止する。有害なトラフィックが上位ネットワークに流れ込まないため、ネットワークやその他のシステムにも余計な負担をかけないのも大きなメリットだ。セキュリティを高めるために、ネットワーク構成の変更や管理スタッフの増員など、余計な運用工数がかからないため、導入がもたらすメリットは大きい。

 接続する端末の種類を選ばないのもポイントだ。ネットワークに接続されているのはPCに限らず、IP電話、シンクライアント端末やiPadなどもネットワークに接続されるようになった。アンチウィルスソフトが提供されていない端末も出てきている。またマイクロソフトによりセキュリティパッチが提供されなくなった「Windows NT」など、レガシーOS機器もまだ社内に残っているケースが散見される。これらの端末に対するセキュリティ対策には大きな課題があるが、「SGシリーズ」は、ネットワーク上を流れるトラフィックを監視しているので、クライアントの種類にかかわらず、高いセキュリティが実現可能だ。


販売パートナーにとっても注目の「差別化できる商材」

 ネットワークスイッチは、差別化が難しくなっている。ただの集線装置として見ると、大手メーカーでも、格安メーカー製品でも、機能的な大差はないからだ。しかし、「SGシリーズ」はL2スイッチでありながら、レイヤ2~レイヤ4レベルの通信パケットを分析して有害トラフィックを検知・遮断するASICを搭載したセキュリティスイッチという新たな分野を確立した。今のところ競合する製品は登場していないため、ほかのスイッチと確実に差別化できる商材である。ソリューションとして、他の商品と組み合わせた提案はもちろん、単体でも他のスイッチとは明確に機能上の優位性を持っている。販売パートナーは「SGスイッチ」を活用することで、他社と提案の差別化が可能になり、新規ビジネスチャンスの創出が可能になる。ネットワールドの森田社長は、セキュリティスイッチという新しい領域に大きな期待を寄せ、「まず、パートナーへの認知を広げていきたい」と語っている。


 ネットワールドは、「SGシリーズ」を、セキュリティ意識の高い官公庁や金融機関、一般企業のほか、文教市場を中心に販売していく考えだ。また、琴社長は、「日本市場にマッチした製品の開発をさらに進めていく。日本市場での需要が高い8ポート製品なども投入していく」と語る。

 ワームやウィルスなどのセキュリティ脅威を感染源になるべく近い場所で確実に防御する重要性、は高まっておりセキュアでシンプルなネットワーク環境を提供する両社の展開に注目したい。